2024年2月7日2025年1月7日大学教授に学ぶ正しい化粧品の知識,美容コラム,美容と健康のアドバイス
糖化と肌のエイジング①
アンチエイジングにおいて、よく耳にする「酸化」とともに「糖化」も欠かせないキーワードとなっています。
簡単にいうと「酸化」は「錆びてしまう」ことで、「糖化」とは「焦げついてしまう」ことです。
どちらにとっても、細胞、組織レベルでのダメージであり、老化だけでなく、病気の始まりともなりますので、どちらも“ 予防” という概念が必要なものとなります。
そこで、今回と次回の2回にわたって、「糖化」と肌のエイジングについてご紹介いたします。
そもそも糖化とは?
糖化とは、体内にあるタンパク質と余剰な糖質が結びつき、さらに熱(体温) によってじんわり加熱され、AGEs(糖化最終生成物)が産生される反応のことです。
どの要素も体内にあるものなので、人は糖化しやすいと言えます。
ちなみに、皆さんもよく口にするホットケーキをこんがり焼いた時に表面が茶色になるのも同じ反応(メイラード反応) です。
このAGEs という物質は、体内で作られると分解されにくく、蓄積性があります。
蓄積したものは当然、細胞代謝や組織代謝において不必要なものなので障害が起こり、病気や老化の原因となります。
一番の注意は高血糖状態が続くこと
糖質は常日頃、エネルギー産生のために細胞内で使用され、代謝の中心として働いています。
しかし高血糖状態となると、細胞内に取り込まれない余分な糖質が血中をまわりはじめて、各組織にあるたんぱく質と結合していきます。
食べすぎはもちろん、急速な血糖上昇を招くような食べ方も注意が必要です。
糖化で起こる血管内の変化
AGEs の蓄積によって、まず障害を受けやすいのは血管です。
悪玉コレステロール(LDL) は動脈硬化の原因として有名ですが、通常は白血球の一つであるマクロファージが分解してくれます。
しかし、LDL が糖化することで、それを摂取したマクロファージ内に分解されずとどまり、それごと血管内壁に蓄積していき、最終的に塊を形成、血管狭
窄や閉塞を起こし様々な病気を引き起こします。
しかも糖化LDL は、活性酸素を誘発し、組織の酸化もするということですから、何もよいことはありません。
次回は、『肌においての影響』と『糖化に対しての食事』についてご紹介します。