2025年1月30日2025年1月30日皮膚科医に学ぶ正しいスキンケア,美容コラム

『目の下のクマ』 を知る①

目の下のクマは、疲れた印象老けた・不健康といった印象を与えてしまいます。

 

メイク用品で隠すという手段もありますが、限界も当然あります。

 

今回は、多くのかたが悩む『目の下のクマ』について、原因から分類してみます。

 

 

皮膚表皮層が原因となる目の下のクマ

まず、目の周りの印象をつくる、つまり見える部分は表層にある皮膚、特に表皮層です。

 

ここはメラニン色素が存在する部位で、その沈着は「目の下のクマ」と認識できます。

 

単純にしみや色むらがある場合もあれば、炎症後色素沈着も意外と多いものです。

 

炎症後色素沈着は、なんらかの炎症の後遺症としてメラニン色素の濃さや量が過剰となる状態です。

 

代表例は、アトピー性皮膚炎や花粉症による目のかゆみです。

 

目や目の周りのかゆみで、慢性的にかいてしまい、炎症が続くと皮膚はメラニンの濃さと数を増強させます

 

メラニン色素が関わるクマは、そのタイプによって、ケアや治療も様々です。

 

特に注意したほうがよいのは、上述の炎症後色素沈着です。

 

炎症が強く絡む色素は、レーザーなどの照射系治療によって悪化させるリスクが大きいからです。

 

だから、色をとるということではなく、根本的に炎症が起こっている原因を排除することが先決です。

 

 

 

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皮膚真皮層が原因となる目の下のクマ

真皮層は主にコラーゲンのある場所ですが、まれにメラニンが存在することがあります。

 

それは、太田母斑やADMなどの“ あざ” に分類されるものです。

 

これらの場合、たいてい灰色~青灰色にみえます。

 

また表皮層で起こった炎症が過度となり、表皮と真皮の境( 基底膜)が破壊されて、表皮のメラニンが真皮層へ落ちてしまうことでも、同じように見えます。

 

真皮にあるメラニンの場合、表皮のメラニン沈着よりも暗い印象のある目の下のクマとなることが多いです。

 

 

 

次回は、「皮下脂肪の薄さによる目の下のクマ」「骨格による目の下のクマ」「血流うっ滞による目の下のクマ」についてご紹介します。

 

 

 

 

 

この記事を書いた人

濱野 英明先生

濱野 英明 先生

テティス横濱美容皮膚科 院長

日本皮膚科学会 皮膚科専門医

一般社団法人日本スキンケア協会 顧問

川崎市立川崎病院、慶應義塾大学病院皮膚科、稲城市立病院皮膚科、済生会横浜市南部病院皮膚科での勤務を経て、横浜の桜木町駅前に医療とエステを融合させた「テティス横濱美容皮膚科」を開設。日本皮膚科学会、日本美容皮膚科学会、日本東洋医学会、日本レーザー医学会等に加盟し、最新の確かな情報を基に、安全で効果の高い美容医療を提供している。また、ミス・ユニバースやミススプラインターナショナルのビューティーキャンプ講師や審査員も務める。

 

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