2025年2月5日2025年2月5日カウンセリングテクニック
「熱意」は伝わっているか?お客様に響く接客の本質
皆様のサロンでは、毎月どのくらいの新規のお客様がいらっしゃいますか?
今回は、その数や質・リピート率についてのお話ではなく、増客につながらなかった私の失敗談をお伝えいたします。
実際に行ったカウンセリングと施術内容
先日新規のお客様が、毛穴のお悩みを解消したくてご来店なさいました。
毛穴のお悩みには様々な種類があります。
① 毛穴の開き
② 毛穴のざらつき・詰まり
③毛穴の黒ずみ
④ 毛穴のたるみ
が主に挙げられると思いますが、そのお客様は25 歳ということもあり、鼻の①②③に関するお悩みでした。
カウンセリングを20 分程する中でわかったことは、「デイリーケアは簡単に済ませる」「冬は乾燥も気になる」「エステサロンにはたまに行き、毛穴をキレイにしてもらう」「睡眠良し・体調良し・食生活問題なし」ということでした。
その後、施術を70 分。
じっくりとお客様に向き合いました。
洗浄を徹底し、ソフトピーリングを鼻周りだけ行い、バキュームやクレイで鼻の毛穴汚れをオフし、ビタミンC 誘導体によって鼻の皮脂分泌を抑え酸化防止をし、しっかりと毛穴も引き締める。
施術中に感じた肌の状態
そして施術をして感じたこと。
ノーマルスキンなのに鼻の皮膚だけがかなり固くなっていたこと。
これは触りすぎによる過度の角質肥厚。
肌自体は乾燥しているわけでもなく、鼻以外は汚れを溜め込んでいる様子もない。
鼻の皮膚の硬さは尋常ではなく、今まできっとありとあらゆる手段で毛穴の汚れを取ってきた事が伺えます。
だからこそ、毛穴が開き、ゆえに皮脂過多になり、結果、酸化し黒ずみになっている・・・という悪循環です。
このような状態になってしまうと、素人では正直改善は難しいと思われます。
プロの手を借りないと、毛穴はどんどん広がります。
施術後のご提案
そこで、お客様の今の毛穴の状態を図で表しながら
『角質ケアの必要性』
『サロンで定期的に毛穴洗浄する有効性』
『皮脂分泌を抑える方法』
『毛穴を小さくする方法』
この4つをサロンでのメンテナンスとデイリーケアで取り入れていければ、お悩みも解消していけるとご説明いたしました。
いくつかご質問を受け、それにお答えすると、お客様は次回のご予約を入れることなく、お帰りになりました。
次回予約に繋がらなかった理由
私に何が足りなかったのか・・・どうして増客につながらなかったのか・・・技術?接客?カウンセリング?
そもそもエステに通うつもりもない?このような事は、今となればお客様に伺う事も出来ないので、知る由もありません。
ただ、WBC で世界一になった侍ジャパンを特集した雑誌を読んで私が気付いたこと・・・
それは、“ 熱意” が足りなかった、という事。
大谷選手の最後のバッターとの対戦からは、彼の野球に対する『心』とか『魂』とか、そういう想いを栗山監督は感じたとか。
では、私は『お客様にキレイになって喜んでいただきたい』という信念をしっかり全身全霊で伝えていたか・・・
『そこまで言ってくれるなら任せてみようかな』と思っていただけるだけの熱意と情熱をもって接客していたか・・・
私は新人エステティシャンによく『知識や技術や経験は足りないかも知れないけど、一生懸命さに惹かれて通ってくださるお客様はいらっしゃるものです』と言います。
まさにコレです。
“初心忘るべからず”
ありきたりの言葉ではございますが、世阿弥の言葉として、今一度調べてみていただけると全ての人に当てはまるのではないでしょうか。
プロとして私達がその道を進むために、この気付きを共有できますよう願いを込めて。