2018年9月5日2024年11月18日大学教授に学ぶ正しい化粧品の知識

プラセンタと誤解されている「マリンプラセンタエキス」

今日は、注目の美容成分 『プラセンタと誤解されている「マリンプラセンタエキス」』について記載いたします。

 

プラセンタとは

化粧品原料のマリンプラセンタエキスは、天然国産の鮭卵巣膜から独自の製法により抽出・精製したものです。

 

株式会社日本バリアフリーから販売されています。

 

プラセンタというのは胎盤のことです。

 

胎盤は哺乳類に特有のものですので、卵生である魚には存在しません。

 

本来の定義から言えば、マリンプラセンタを「プラセンタ」と呼ぶのは誤りです。

 

しかしながら、哺乳類のプラセンタと似たような成分が含まれていることから、こう呼ばれています。

 

 

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マリンプラセンタとプラセンタの違い

マリンプラセンタは魚由来の「卵巣膜」なので、厳密には哺乳類の「プラセンタ=胎盤」とは異なります

 

卵巣膜は卵を守って育てる部分ですので、機能としては胎盤に近く、胎盤と同じように、卵巣膜には豊富な栄養成分があるからだそうです。

 

 

マリンプラセンタというのは、鮭の卵巣膜なので、筋子の表面の薄皮の部分なのです。

マリンプラセンタエキスには、プラセンタエキスと同じように多くのアミノ酸が含まれます。

 

なかでも、人間が体内で作り出せない9種類ある必須アミノ酸(トリプトファン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、ヒスチジン)の全てが含まれているのも特徴です。

これは、プラセンタエキスだけでは得ることのできない成分です。

 

 

アミノ酸は美しいお肌を保つためには欠かせない成分ですので、美容効果は大きなものが期待できます。

 

▶関連記事:すごい美容効果が得られる卵

 

他にもビタミンやその他にムコ多糖類やエラスチンが含まれています。

 

 

 

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コンドロイチンの特徴とは

マリンプラセンタエキスに含まれる特徴成分のコンドロイチン硫酸は、人間と同じA型とC型のコンドロイチンです。

 

人間の体内のコンドロイチンは、出生時をピークに減少します。

C型のコンドロイチンはほとんど減少しませんが、A型のコンドロイチンは、20歳以降は大きく減少します。

 

肌弾力改善、キメを整える効果、毛穴の黒ずみ改善や育毛効果があり、培養細胞系の実験では、線維芽細胞賦活作用、I型コラーゲン産生促進作用、抗酸化作用があるとの報告があります。

 

 

 

 

この記事を書いた人

前田 憲寿 先生

前田 憲寿 先生

*医学博士

*東京工科大学 応用生物学部 教授

*日本スキンケア協会 顧問

*特許庁 機能性皮膚化粧料調査委員会 委員長

九州大学大学院薬学研究科、東北大学大学院医学研究科を経て、資生堂ライフサイエンス研究センター皮膚科学研究所にて主任研究員を務める。2007年に東京工科大学バイオニクス学部教授、バイオ・情報メディア研究科教授に就任。2008年より、同大学応用生物学部、バイオ・情報メディア研究科教授に就任。専門分野は、香粧品科学、皮膚科学、分子細胞生物学、生化学、薬理学など。テレビなどのメディア出演も多数。