2022年3月24日2024年3月27日大学教授に学ぶ正しい化粧品の知識
コラーゲン合成作用のある抗シワ成分 「クズ根エキス」
マメ科クズ(Pueraria lobate (Willd.) Ohwi) の根は、生薬「葛根」の基原として日本薬局方に規定され、葛根湯などの漢方製剤に使用されています。
日本薬局方の葛根にはイソフラボン配糖体であるプエラリン(puerarin)が2 %以上含まれ、その他にダイズイン(daidzin)、ダイズインのアグリコンであるダイゼイン(daidzein)が含まれています。
葛根と同属の多年生つる植物であるプエラリア(学名:Pueraria mirifica)には、フィトエストロゲン (イソフラボン類) が他のマメ科植物より多く含有しています。
また、皮膚の老化が早く進行する更年期女性の皮膚にエストロゲンを塗布した時、皮膚の老化が抑制される現象が現われるのを観察した研究があります(1)。
即ち、約6か月間エストロゲンを塗布した時、皮膚の弾力が目立って増加し、皺の深さが60%以上減少したが、これはエストロゲンにより皮膚コラーゲン繊維の数が増加することに起因すると報告されています※1。
また、ダイゼインは真皮のコラーゲンの大部分を占めるⅠ型コラーゲン合成促進による抗老化作用が認められ、低濃度で高いコラーゲン合成促進作用が示されています。
図 ブエラリン_ダイズイン
※1・ (1). Schmidt JB, Binder M, Demschik G, Bieglmayer C, Reiner A. Treatment of skin aging with topical estrogens. Int J Dermatol. 1996, 35(9): 669〜674.
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