2022年7月1日2023年10月30日美容コラム
シミはなぜできる?主な種類と症状の違い、効果的な予防法も解説
化粧品のCMなどで「シミ」という言葉が出てくることも多く、ほとんどの方は一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
しかし、そもそもシミとはどういった状態のことを指すのか具体的に分かっていなかったり、なぜシミができるのか疑問に感じている方も多いはずです。
そこで今回の記事では、シミに関する基礎知識とメカニズムを簡単に紹介するとともに、シミの種類や効果的な予防法、シミが肌にできた場合の正しい対処法も含めて解説します。
肌トラブルに悩んでいる方はもちろん、シミができないように適切に予防したい方もぜひ最後までお読みいただき参考にしてみてください。
健康な肌とシミのある肌の違い
これまで肌トラブルとは無縁であった方や、日常的に肌のケアをする習慣がない方などにとって、そもそもシミのある肌とはどのようなものか分からないこともあるでしょう。
本来、健康的な肌の表面は均一な色をしていますが、シミができると肌の表面に斑点のような模様が浮き出てきます。
斑点の大きさや形、範囲は人によっても異なるほか、色も茶褐色のものから近づいて見なければ分からない薄いものまでさまざまです。
どうしてシミはできるの?その原因とは・メカニズム
健康的な肌を維持するためには、できるだけシミを作らないよう心がける必要があります。
ここでぜひ覚えておきたいのが、シミができる原因とそのメカニズムです。
なぜシミは現れるのか、その理由を知っておけば肌トラブルのリスクを最小限に抑えられるでしょう。
シミができるメカニズム
通常、皮膚細胞は28日周期で肌の新陳代謝であるターンオーバーを繰り返し、新たな皮膚組織へと生まれ変わっています。
しかし、さまざまな要因によってターンオーバーの周期が乱れることがあり、正常な新陳代謝ができなくなった皮膚細胞にはメラニンとよばれる色素が肌に残り沈着してしまうのです。
これが、シミができる基本的なメカニズムであり、言い換えればシミの正体はメラニン色素が肌に沈着したものと表現することもできるでしょう。
シミの主な原因
ターンオーバーの周期はさまざまな要因によって乱れることがあると紹介しましたが、主な要因としては以下の5つが挙げられます。
・紫外線
・加齢
・喫煙
・ストレス
・ホルモンバランスの乱れ
特に外的要因として大きいのが、紫外線による肌へのダメージです。
肌は強い紫外線を浴びることで老化が進み、皮膚細胞の新陳代謝を促す力が低下してしまいます。
また、喫煙やストレス、不規則な生活によって生じるホルモンバランスの乱れなども大きな要因として挙げられるでしょう。
シミの種類とそれぞれの特徴
一口にシミといってもさまざまなタイプがあり、現れる症状によってシミの種類も異なります。
それぞれどのような違いがあるのか、8つの種類別に見ていきましょう。
「日光性黒子」タイプ
加齢とともに目立つようになるシミが日光性黒子(にっこうせいこくし)です。
これまで紫外線を浴びて蓄積されてきた肌へのダメージによって現れるシミです。
主に30代以降から症状が出てくるパターンが多いですが、20代からシミが現れることもあります。
「そばかす」タイプ
幼少期から思春期頃にかけて現れることの多いそばかすも、シミに含まれます。
目の下から頬のあたりに細かいシミが現れるのが特徴で、遺伝が主な要因とされています。
「肝斑」タイプ
肝斑とは、頬の上部に現れることの多いシミで、一見するとメガネをかけた際の日焼け跡に見えることも少なくありません。
発症年齢は30代以降の方が多く、特に女性の割合が高い傾向にあります。
「色素沈着」タイプ
色素沈着とは、虫刺されや湿疹、やけど、ニキビなどが原因で肌に炎症が起こり、メラニンが正常に排出されず色素が沈着することで生じるシミです。
また、入浴時に肌を強く擦るようにして洗っている場合も色素沈着のシミができやすくなります。
「花弁状色素斑」
強い紫外線を浴びて日焼けした際、花びら型のシミが現れるものを花弁状色素斑とよびます。
特に肩や背中に現れることが多く、日焼けをした際に肌が赤くなりやすい色白な人に発症しやすいシミです。
「脂漏性角化症」
上記で挙げた一般的なシミよりもダメージの大きいシミで、発症箇所がわずかに盛り上がっているのが脂漏性角化症の特徴です。
主に40代以上になると現れるようになり、80代以上の方には高い割合で見られるシミです。
「女子顔面黒皮症」
その名の通り女性の顔面に現れるシミが女子顔面黒皮症で、別名リール黒皮症ともよばれます。
紫外線やホルモンバランスの乱れといった要因のほか、肌に合わない化粧品を使用し続けた結果、肌にダメージを負うことが主な要因とされています。
「ベルロック皮膚炎」
ベルガモットオイルのなかに含まれるベルガプテンとよばれる物質が肌に触れ、日光に照射された際に起こる炎症のことをベルロック皮膚炎とよび、炎症が収まった後に色素沈着によるシミが現れることがあります。
ベルガプテンは主に香水に含まれる物質ですが、日本においては健康被害を抑制するためベルガプテンの使用量が制限されています。
シミに効果的な予防策
シミにはさまざまな種類があることが分かりましたが、その原因は外的要因によるものから加齢によるものまでさまざまです。
では、健康的な肌を長く維持していくために、どのような予防策が効果的なのでしょうか。
特に注意しておきたい6つの予防策を紹介します。
ストレスをためないようにする
シミはターンオーバーのサイクルに狂いが生じることで発生します。
28日周期で訪れるターンオーバーを正常に保つには、ストレスは大敵です。
適度な運動と十分な休息をとり、ストレスを溜め込まないような生活を心がけることが重要です。
年中無休で紫外線対策
紫外線対策と聞くと夏をイメージする方も多いでしょう。
しかし、真冬であっても日光が射しているときには紫外線の影響を受けています。
特に目立ちやすい顔や腕などのシミを予防するためにも、帽子や長袖を着用するなどして紫外線対策を講じておきましょう。
日焼け止めはしっかり落とす
外から帰宅した後、日焼け止めを落とし忘れたまま就寝してしまうと肌にダメージが蓄積されていき、シミの原因につながる場合もあります。
化粧を落とすのと同様に、顔や腕、足などに塗布した日焼け止めクリームはきれいに洗い流してから就寝しましょう。
規則正しい生活を送る
ストレスや紫外線だけでなく、ホルモンバランスの崩れもシミが発生する要因につながります。
規則正しい生活を心がけ、万全の体調を維持することを心がけましょう。
美白有効成分が配合されたアイテムを使う
シミの原因となる紫外線やストレスなどは、日常生活を送るうえで完全に排除することは難しいものです。
そこで、少しでもシミの発生リスクを抑えるために、美白有効成分が配合されたスキンケア商品や化粧品を使用するのがおすすめです。
主な美白有効成分には、トラネキサム酸やアルブチン、プラセンタエキス、ハイドロキノンなどが挙げられます。
抗酸化作用のあるものを積極的にとる
肌の老化を抑制するためには、抗酸化作用のある食品を積極的に摂取することがおすすめです。
抗酸化作用のある物質の具体例としてはビタミンCやビタミンE、ベータカロテン、茶葉エキスなどが挙げられます。
▶関連記事:しみに効果のあるアスコルビルエチル(ビタミンC)
シミ対策におすすめの食べ物
シミを予防するためには日頃の食生活から見直すのも有効な方法です。
特に摂取したい栄養素別に、おすすめの食品例を紹介しましょう。
ビタミンAを含むおすすめの食品
紫外線などによってダメージを受けた肌の細胞を修復するために、ビタミンAは有効な栄養素です。
ビタミンAが豊富に含まれる食品としては、以下が挙げられます。
レバー・卵黄・にんじん・ほうれん草 など
ビタミンEを含むおすすめの食品
抗酸化作用のある成分としても紹介したビタミンEは、体内の血行を促進することで皮膚細胞の新陳代謝も促します。
アーモンド・落花生・モロヘイヤ・ほうれん草 など
ビタミンCを含むおすすめの食品
シミの原因となるメラニンの生成を抑え、抗酸化作用もあるビタミンCは美肌対策に不可欠な栄養素といえます。
アセロラ・キウイフルーツ・レモン・ピーマン・ブロッコリー・豆苗 など
たんぱく質を含むおすすめの食品
美肌に効果的な成分としておなじみのコラーゲンは、たんぱく質の一種です。
しかし、コラーゲンだけを摂取しても肌の新陳代謝はうまく促進されないため、さまざまな食品と組み合わせてバランス良く栄養素を摂る必要があります。
たんぱく質が多く含まれる食品には以下が挙げられます。
肉類(赤身)・魚・卵・大豆 など
亜鉛を含むおすすめの食品
免疫力を向上させ、皮膚のダメージを抑制するために重要なのが亜鉛です。
ビタミンCと一緒に摂取することで新陳代謝の効率を大幅に向上させる働きもあります。
レバー・牡蠣・ホタテ貝・牛肉 など
できてしまったシミ対策は?
十分な対策を講じていたにもかかわらず、万が一肌にシミができてしまった場合、どのような対処が求められるのでしょうか。
シミが現れた後は、それ以上メラニンが生成されないよう抑える必要があります。
メラニンの生成が促進されるもっとも大きな要因には紫外線が挙げられるため、肌の露出を控えることが重要です。
肌のターンオーバーを促進する
シミが発生する直接的な原因となるターンオーバーの周期の乱れを改善することも重要です。
ターンオーバーの改善においても紫外線は大敵ですが、それとあわせて皮膚の乾燥にも注意しなければなりません。
ガサガサと乾燥した肌はターンオーバーの周期が早まり、シミが悪化するおそれもあることから徹底した保湿対策を講じましょう。
酸化酵素の発生を抑える
メラニンの発生を促進する物質に酸化酵素とよばれるものがあります。
酸化酵素は紫外線や皮膚への摩擦、炎症といった外的要因以外にも、疲労やストレス、睡眠不足、喫煙などの生活習慣によっても活性化することがわかっています。
シミを悪化させないためにも、酸化酵素の発生を抑えることが重要です。
シミに効果的な内服薬・外用薬を使用する
シミを改善するために手軽な方法として挙げられるのが内服薬や外用薬です。
それぞれどのような効果が期待できるのか紹介しましょう。
(1)内服薬と効果と特徴
現在、肝斑やそばかすを改善するための内服薬が市販されています。
ただし、すべてのシミに対応できるものではなく、シミの症状を見極めたうえで使用しなければなりません。
また、市販の内服薬では症状が改善されない場合、皮膚科や美容クリニックなどで医師の診察を受け、内服薬を処方してもらう必要があるでしょう。
(2)外用薬と効果と特徴
シミ治療用の外用薬は、患部に塗布するクリームがほとんどです。
外用薬の種類によっても効果は異なりますが、多くの場合、シミを根本的に取り除くというよりは沈着した色素を薄くすることが目的であるため、症状に合わせて医師と相談のうえ処方してもらうようにしましょう。
レーザー治療
シミの根本治療に有効なのがレーザー治療です。
メラニン色素に反応する特殊なレーザーを照射することで、シミそのものを除去します。
レーザー治療には特殊な機器が用いられ、医療機関でしか治療することができませんが、その分高い効果が期待できます。
専門医によるケアを行う
治療を終えた直後にシミが完全に除去されるものではなく、一定期間にわたって経過を見ながら適切なケアをしなければなりません。
効果が見られないようであればレーザーの再照射が必要な場合もあることから、一定期間の通院が必要です。
シミを放置しておくと起こること
シミができたとしても、「化粧でごまかせるだろう」、「目立たない場所だからそのままで良いだろう」と考える方も多いでしょう。
しかしシミを治療しないまま放置しておくと、加齢にともなってシミの箇所がイボのように隆起したり、皮膚がんの原因になることもあります。
決して軽く考えるのではなく、できる限りの対策と治療が求められます。
シミ・そばかすをカバーするメイク方法
「気づかないうちに顔の一部にシミができていた、今すぐなんとかしたい!」といった場合、メイクによって隠す方法もあります。
シミをカバーするために有効な2つの方法を紹介しましょう。
コンシーラーで隠す
コンシーラーとは、肌のくすみや色ムラ、目の下のクマなどを目立たなくするためのコスメです。
通常のファンデーションを塗っただけでは肌の色ムラを隠すことは難しく、一部分だけが色が変化したように仕上がってしまいます。
そこで、気になる部分にコンシーラーを使用し、その上からファンデーションを塗ることできれいに仕上げることができます。
カラーコントロール下地で隠す
カラーコントロール下地とは、その名の通り色のついた化粧下地のことを指します。
カラーコントロールベースともよばれ、シミやそばかすをきれいにカバーし、下地の上からファンデーションを塗ったときに自然な仕上がりとなります。
また、シミやそばかす以外にも、肌の赤みやクマなどに悩んでいる方にとっても有効なアイテムです。
まとめ
一口にシミといってもさまざまな種類があり、現れる症状や原因も異なることが分かりました。
加齢もひとつの原因に数えられるほか、紫外線によるダメージが蓄積されてシミができる場合もあり、完全にシミを予防することは難しいのも事実です。
しかし、今回紹介した対策をとっておけば、シミの発生リスクを最小限に抑えることは可能です。
あまりにも症状が重く改善しない場合には、医師に診察してもらい適切な治療とケアを行うことも考えましょう。
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