2022年10月24日2024年4月1日お肌のトラブルケア
肌のかゆみを生じさせる原因とは?正しい対処法や皮膚疾患の一例も紹介
さまざまな原因によって生じる肌のかゆみ。
一度気になりだすと仕事が手につかなかったり、眠りの妨げになったりすることもあります。
本記事では、かゆみの原因にはどういったものがあるのか、正しい対処方法や疑われる皮膚疾患の種類なども詳しく解説します。
かゆみが生じる仕組み
虫刺されや衣服の擦れによる刺激、日焼けをしたときなど、さまざまな原因によって肌のかゆみを感じることがあります。
しかし、かゆみという独特の感覚の正体は何なのか、なぜかゆみを感じるのか疑問に感じたことはないでしょうか。
かゆみが生じる基本的な仕組みは以下の通りです。
・肌に何らかの刺激が加わる
・かゆみを引き起こす物質が放出される
・皮膚にある神経が刺激を受け取る
・刺激の情報が脳に伝達される
ちなみに、かゆみを引き起こす物質には様々なものがありますが、特に代表的なのがヒスタミンです。
ただし、ヒスタミンが放出された時点ではかゆみを感じることはなく、脳に刺激情報が伝わることで初めてかゆみを感じるのです。
かゆみの原因
かゆみを引き起こす原因にはさまざまなものがあります。
代表的な原因をいくつかピックアップし紹介しましょう。
乾燥肌によるかゆみ
肌が乾燥すると角質がダメージを受け、本来私たちがもっているバリア機能が低下します。
その結果、わずかな外部刺激にも敏感に反応するようになり、かゆみを引き起こします。
肌が乾燥する要因はさまざまなものがありますが、外部からの刺激によるものと体内の変化が挙げられます。
外からの刺激
湿度が極端に低下すると、肌表面の水分が失われていき、角質が剥がれ落ちていくことがあります。
その結果、肌の内部にある水分までもが徐々に蒸発し、肌の乾燥を引き起こします。
身体内の変化
私たちの皮膚は一定周期で新しい細胞に生まれ変わっており、これをターンオーバーとよびます。
しかし、何らかの原因でターンオーバーのサイクルが乱れてしまうと、角質が剥がれ落ちていきバリア機能が失われ、肌が乾燥した状態になるのです。
誤ったスキンケアによる乾燥
健康な肌を維持するために毎日行っているスキンケアの方法が、万が一誤っていた場合、肌の乾燥を引き起こすことも考えられます。
たとえば、洗顔の際に肌を強く擦ったり、化粧水や乳液、クリームなどを使用する順番を間違ってしまうと、肌の保湿力を保つことができずバリア機能が低下し、かゆみを感じやすくなるでしょう。
汗・あせもによるかゆみ
私たちの汗には少量の塩分やアンモニアといった成分が含まれており、これが肌への刺激となりかゆみを生じさせます。
また、汗を放出する汗管が詰まり、炎症を引き起こす場合もあります。
これは「あせも」ともよばれ、強烈なかゆみやヒリヒリとした感覚を及ぼすことも少なくありません。
アレルギー物質
私たちの体には免疫機能が備わっていますが、外部からの刺激に過剰に反応することでアレルギー反応となって現れることがあります。
これを引き起こす物質のことをアレルギー物質とよんでいます。
虫刺されによるかゆみ
かゆみの代表格でもある虫刺されは、虫の種類や刺された人の体質によってもかゆみの程度は異なります。
なお、虫刺されによるかゆみも、厳密にいえばアレルギー物質に対する反応のひとつに分類されます。
外部からの刺激
衣服の擦れや室温の変化など、外部からの何らかの刺激によってかゆみを感じる場合もあります。
特に衣服は素材やサイズによっても刺激を与えやすく、縫い目の位置や大きさ、締め付け具合がかゆみを引き起こす原因にもなるのです。
皮膚の病気
アトピー性皮膚炎や脂漏性皮膚炎、乾燥湿疹など、さまざまな病気が原因でかゆみを感じることもあります。
一見すると単なる虫刺されや乾燥肌、皮膚のかぶれのように見えることもあるため、医療機関での受診が必要です。
じんましんによるかゆみ
一時的な症状として、じんましんが現れ強烈なかゆみを生じさせることもあります。
円形や不規則な形をした膨らみが現れますが、比較的短時間で症状は収まるケースがほとんどです。
肌のかゆみにはどう対処する?
肌の痒みを感じたとき、反射的に掻いてしまいがちですが、場合によっては症状を悪化させる可能性もあります。
では、どのような対処が正しいのでしょうか。
冷やす
かゆみを鎮めるためには、患部を濡れたタオルなどで冷やすことが有効です。
かゆみがひどく改善しない場合には、氷や保冷剤をタオルにくるむなどして冷たさを調節してみましょう。
肌を清潔にする
汗をかいたまま放置しておくと、雑菌が繁殖し”あせも”や炎症の原因になることがあります。
これを防ぐためには、つねに肌を清潔に保っておくことが重要です。
特に汗をかく機会が多い夏は、タオルやウェットティッシュなどを常備し、素早く汗を拭き取るようにしましょう。
乾燥を予防する
肌の乾燥を予防するためには、外からの刺激を防ぐと同時にターンオーバーのサイクルを整える必要があります。
外部刺激の予防には、
・洗顔や汗を拭く際に強い力で擦らないこと
・正しいスキンケアを心がけること
・紫外線対策を万全にすること
などが挙げられます。
また、ターンオーバーサイクルを維持するためには、規則正しい生活リズムを維持するとともに、栄養バランスのとれた食事を心がけることも重要です。
市販薬でセルフケア
肌のかゆみが慢性的に現れる場合には、炎症を鎮める効果のある市販薬などを活用しケアをするのも有効な方法といえるでしょう。
虫刺されや”あせも”専用の市販薬も販売されているため、かゆみが起こる原因に合わせて市販薬を選ぶことが大切です。
顔のかゆみ対策の注意点
顔にかゆみが現れることが多い場合、間違ったケアをしてしまうと赤みやシミなどが目立ってくることがあります。
これを防ぐためには、どういった点に注意すべきなのでしょうか。
肌をかかない
大原則となるのが、かゆいからといって肌をかかないことです。
強い力で擦ると肌の角質がダメージを受け、赤みや炎症が悪化する可能性があります。
上記で紹介したように、患部を冷やしかゆみを鎮めるようにしましょう。
肌に負担の少ないスキンケア、メイクをする
顔のかゆみが現れる大きな原因には、肌の乾燥があります。
皮脂や汚れを落としたり、汗を拭いたりする際、つい強い力で擦ってしまいがちですが、このような行為はかゆみを悪化させる原因となるため注意しましょう。
また、下地やファンデーション、チークなど、肌質に合わないアイテムが肌のかゆみを引き起こす場合もあるため、できるだけ刺激が低く肌に負担をかけないものを選ぶことも重要です。
かゆみが起きやすい部位
かゆみは皮膚のあらゆる部位で起こり得るものですが、なかでも私たちの体のなかでかゆみが生じやすい部位があります。
それは、汗をかきやすい場所と乾燥しやすい場所です。
たとえば、頭皮や顔、脇、背中、デリケートゾーンなどは汗をかきやすく、適切な処理をしないでおくと強いかゆみを生じることがあります。
特に背中は手が届きにくいほか、衣服を着用した状態では汗を拭き取ることが難しいため、かゆみを感じやすくなります。
また、乾燥しやすい部位としては、衣服を着用していても露出することが多い顔や首すじ、腕、頭皮などが挙げられます。
頭皮は毛髪に覆われているため、乾燥しにくいイメージがありますが、実際には紫外線の影響を受けやすく、頭皮にダメージが蓄積されていくことで肌が荒れ、乾燥しやすい状態になるのです。
かゆみを伴う皮膚疾患
かゆみの原因を探っていくと、さまざまな皮膚疾患が見つかる場合もあります。
どのような疾患が代表的なのか、9つの例を紹介します。
湿疹(皮膚炎)
湿疹とは、皮膚のかゆみと同時に炎症や赤みなどを伴う症状のことで、以下で紹介するアトピー性皮膚炎や接触皮膚炎、脂漏性皮膚炎などの総称としても用いられます。
慢性的に症状が現れるものもあれば、一時的に症状が現れるものまで多種多様です。
蕁麻疹(じんましん)
蕁麻疹とは、肌の一部または広範囲にかゆみを伴う湿疹が現れる症状です。
ただし、あくまでも一時的な症状のケースが多く、数十分から数時間程度でかゆみや炎症が収まることが多い傾向にあります。
一般的な炎症とは異なり、患部が円形または不定形に盛り上がりを見せるのが蕁麻疹の特徴です。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は激しいかゆみを伴う皮膚炎であり、同じ部位に症状が慢性的に現れる特徴があります。
主に幼児期から発現しますが、まれに大人になってから症状が出てくるケースもあるようです。
無意識のうちに肌をかいてしまうほど強いかゆみのため、アトピー性皮膚炎が原因で肌荒れや乾燥肌になる子どもも少なくありません。
接触皮膚炎
接触皮膚炎とは、通称「かぶれ」ともよばれます。
アレルギー反応を引き起こす植物や動物、化学物質などに触れた際に発症し、激しいかゆみとともに水疱や紅斑などが現れることもあります。
体質によって特定の物質にアレルギー反応を引き起こす場合もあり、いわゆる金属アレルギーなども接触皮膚炎の一種です。
脂漏性皮膚炎
脂漏性皮膚炎とは、皮脂の分泌機能が異常をきたしたり、皮脂からのカビによって発症する皮膚炎です。
特に鼻やTゾーン、頭皮などに発症することが多く、顔面に発症した際にはかゆみの程度はそれほど高くない特徴が見られます。
乾燥湿疹(皮脂欠乏性皮膚炎)
乾燥湿疹は皮脂欠乏性皮膚炎の通称で、その名の通り肌の乾燥によって起こる皮膚炎の一種です。
肌の保湿力が低下する高齢者に多く見られますが、皮膚のバリア機能が低下している場合には若年層にも現れることがあります。
激しいかゆみを伴うことが多く、強い力でかいてしまうため皮膚に色素が沈着し、シミの原因となることも少なくありません。
皮膚そう痒症
皮膚そう痒症とは、炎症や赤みが見られないのに強いかゆみが現れる症状です。
衣服の擦れやわずかな刺激といった一時的な痒みではなく、非常に激しいかゆみが慢性的に続くのが皮膚そう痒症の特徴です。
さまざまな原因が考えられ、ときには糖尿病やがんといった重篤な病気のサインであることも多いため、医療機関の受診が必須です。
虫刺症
虫刺症とはその名の通り、蚊やハチ、アブ、ダニなど、さまざまな虫が吸血したり噛んだりすることで、皮膚に炎症や腫れ、かゆみを引き起こす症状です。
ヒスタミンやセロトニンとよばれる物質が体内に入ることでアレルギー反応が起こり、かゆみや炎症などの症状を引き起こしますが、虫の種類によっても症状の程度は異なります。
光線過敏症
光線過敏症とは、日光のように強い光を浴びたときにアレルギー反応が引き起こされる症状です。
光が照射された皮膚に炎症や発疹、かゆみを伴うことがあります。
赤ちゃん、子供に起こりやすいかゆみの種類
乳幼児のなかには、就寝中や遊んでいるときに体をかいてしまう子どももいます。
一時的なかゆみであれば問題ありませんが、執拗に体をかく行為が目立つ場合には、上記で挙げたような疾患が考えられます。
特に子どもが罹患しやすいものとしては、アトピー性皮膚炎や蕁麻疹、食物アレルギーなどが代表的です。
まずは医療機関を受診し、かゆみの原因を特定したうえで治療していきましょう。
症状が重い場合は病院に
子どもに限らず、大人もさまざまな原因で慢性的な体のかゆみを感じることがあります。
毎日のように同じ部位に強烈なかゆみを感じる場合や、原因不明の発疹や炎症などが現れ、なかなか消えない場合などは医療機関を受診し医師へ診てもらいましょう。
まとめ
虫刺されやアレルギー、肌の乾燥など、さまざまな原因によって生じる肌のかゆみ。
かいてもかいても症状が改善せず、むしろ悪化するケースが多いことから、正しい対処法を把握しておくことが大切です。
今回の記事を参考にしながら、かゆみの改善や治療に役立ててみてください。
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