2023年3月1日2023年3月1日皮膚科医に学ぶ正しいスキンケア
ビタミンCのあれこれ⑪
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ビタミンCについて、10回にわたりお話してきました。
今回は最後の内容で「ビタミンCと免疫」についてです。
世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス感染症。
ワクチン普及とともに、経口の治療薬がそろそろとの報道(2021年10月時点)もありますが、コロナウイルス感染症に限らず、結局、自己の免疫が頑張れる状態にあるのか、ないのかが一番重要です。
例えば、ウイルスが体内に入った時に免疫がどう働くか、
そしてワクチンを打ったとしても、働ける抗体がしっかりできて、対処できる身体になるかは、自己免疫しだいというわけです。
さて、その免疫を司る細胞である白血球は、とても働き者であるがゆえにビタミンCを多く消費する細胞です。
知っていましたか?
白血球には、大きく分けて自然免疫と獲得免疫があります。
感染初期に防御システムとして頑張るのが自然免疫です。
自然免疫を担当するのは主に好中球やマクロファージ、NK(ナチュラルキラー)細胞といった免疫細胞です。
NK細胞は最近メディアでも取り上げられるようになったので知っている方も多いと思います。
これらの細胞は侵入してきた細菌やウイルスなどの病原体に対して始めに動き、直接攻撃をして排除を狙います。
そしてこれら自然免疫は、同時に「樹状細胞」という免疫細胞を活発化させます。
この樹状細胞は病原体を取り込んで、その成分をT細胞というリンパ球に情報を渡します。
Tリンパ球はその情報を元に、さらにピンポイントで病原体を狙い撃ちすることができます。
そしてもう一つ、病原体に対して直接的に無毒化できる抗体をつくるBリンパ球もあります。
このT、Bリンパ球による免疫システムは、次に備えることができる「獲得免疫」と言われるものです。
「自然免疫⇒樹状細胞⇒獲得免疫」という流れがいわゆる『免疫』の全体像です。
これらの免疫細胞内の代謝でビタミンCは関わり、
そして免疫細胞自身を保護するためにもビタミンCがたくさん使われます。
多くの免疫細胞は、活性酸素を使ってウイルスなど病原体を攻撃しますが、同時に自己もその影響を受けてしまいます。
だから、その保護目的でビタミンCなど抗酸化物質があると守れるというわけです。
その代表がビタミンC!
ビタミンCは多くあるに越したことはありません。
すぐ流れてしまうから意味はないと思いますか?
はっきり言って、意味がないことは全くありません。
確かに体外にでてしまいやすいのがビタミンCですが、
必要量を摂取し続けて、『満たしておく』ことが重要なのです。
ビタミンCは継続して、初めてその意味がでてきます。
今回を含めて計11回、ビタミンCについて、お伝えしました。
この知識を有効活用してください。
記事
濱野 英明(はまの ひであき)先生
テティス横濱美容皮膚科 院長
日本皮膚科学会 皮膚科専門医
一般社団法人日本スキンケア協会 顧問
ヒアルロン酸・ボトックス注入認定指導医
川崎市立川崎病院、慶應義塾大学病院皮膚科、稲城市立病院皮膚科、済生会横浜市南部病院皮膚科での勤務を経て、横浜の桜木町駅前に医療とエステを融合させた「テティス横濱美容皮膚科」を開設。日本皮膚科学会、日本美容皮膚科学会、日本東洋医学会、日本レーザー医学会等に加盟し、最新の確かな情報を基に、安全で効果の高い美容医療を提供している。また、ミス・ユニバースやミススプラインターナショナルのビューティーキャンプ講師や審査員も務める。
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