2023年3月14日2023年3月14日大学教授に学ぶ正しい化粧品の知識
注目の美容成分 血行促進効果のある「センキュウエキス」
センキュウ:Cnidium officinale Makino (セリ科)は
中国四川省が原産と推定されるが日本でも江戸時代の寛永年代以後、栽培されるようになりました。
本格的には明治の中期、北海道に始まり現在も北海道をはじめ岩手県、福島県などで大量に栽培されています。
中国の古典(「神農本草経」など)には、
(キュウキュウ)と書かれているが、
四川省産のものが良品とされたため、
せんきゅうという呼び名が生じたといわれているます。
このせんきゅうに使われている
「きゅう」や「きゅう」の字は、
葉柄が弓状に曲がった様を表すものと考えられています。
※キュウキュウの漢字は、こちらを参考にお願いします。
中薬はその性質によって「寒・涼・平・熱・温」に分かれます。
例えば、患者の熱を抑える作用のある生薬の性は寒(涼)性であり、冷えの症状を改善する生薬の性は熱(温)性です。
寒性、涼性の生薬は体を冷やし、
消炎・鎮静作用があり、熱性、温性の生薬は体を温め、興奮作用があります。
センキュウは温性で血流を改善し気を巡らせる活血作用があり、瘀血を除去する中薬です。
トウキ(当帰)とともに婦人科領域の主薬としてよく知られています。
薬用部位は根茎で、1~2% の精油が含まれ、
cnidilide、neocnidilide、ligustilide、senkyunolide、
butylphthalide、butylidenephthalide などのフタリド類、
クマリン(scopoletin)、ferulic acid等を含みます。
フタリド系には弛緩作用に基づく鎮静、鎮痛、鎮痙、抹消血管拡張作用などが知られています。
補血、強壮、鎮静、鎮痛薬として、貧血症、月経不順、
冷え性、生理痛などに用いられ、
血行不良による痛み(頭痛、月経痛、打撲など)や
かぜによる頭痛や節々の痛み、
リュウマチによる体のしびれ、関節の腫れと痛みなども解消します。
図 cnidilide_ligustilide_scopoletin
5人の男性被検者(24-27歳)に0.033%(330ppm)濃度の
各植物エキスを含む38℃の浴槽に
2日連続で同じ時間に入浴してもらい、
入浴の前後で前腕の血流を測定したところ、
0.033%(330ppm)濃度のセンキュウ根茎エキスを
溶解した後の浴槽への入浴は、血流の増加を引き起こした。
化粧品に配合される場合は、
血管拡張による血行促進作用の目的で、
スキンケア化粧品、シャンプー、コンディショナー、
頭皮ケア製品、入浴剤、ボディ&ハンドケア、メイクアップ化粧品などに使用されています。
記事
前田 憲寿 先生
医学博士
東京工科大学 応用生物学部 応用生物学科
一般社団法人日本スキンケア協会 顧問
特許庁 機能性皮膚化粧料調査委員会 委員長
九州大学大学院薬学研究科、東北大学大学院医学研究科を経て、資生堂ライフサイエンス研究センター皮膚科学研究所にて主任研究員を務める。2007年に東京工科大学バイオニクス学部教授、バイオ・情報メディア研究科教授に就任。2008年より、同大学応用生物学部、バイオ・情報メディア研究科教授に就任。専門分野は、香粧品科学、皮膚科学、分子細胞生物学、生化学、薬理学など。テレビなどのメディア出演も多数。
-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
プロとして
自信を持って美肌アドバイスができるようになる!
『スキンケアアドバイザー資格』通信講座
https://skincare.or.jp/adviser/
JSA 無料メルマガ
http://goo.gl/XDoaBd
JSA Instagram
https://www.instagram.com/skincarekyokai/
JSA Facebookページ
https://www.facebook.com/skincare.kyokai
公式LINEアカウント
https://lin.ee/f1H1f7N