2023年6月23日2024年6月28日皮膚科医に学ぶ正しいスキンケア

ビタミンA と アンチエイジング

今回と次回の2回にわたり

『ビタミンA と アンチエイジング』についてご紹介します。

 

ビタミンAにはどんな効果があるの?

皮膚においてビタミンA(レチノイド)は、表皮細胞の成長を正常化する物質の一つです。

皮膚を正常な厚みにしたり、ダメージがある皮膚では修復を早めたりします

ただし、ビタミンA は細胞の成長速度を無限に高めるというものではありません

成長速度を本来の速さに修復するということです。

加齢とともに皮膚内のビタミンA は少なくなっていき、

ターンオーバーが間延びしやすくなっていきます。

 

また紫外線で平らになった

表皮突起(表皮と真皮の境)は回復し、真皮からの栄養補給も改善されます

真皮コラーゲン層への作用は、線維芽細胞のDNA であり、

コラーゲン産生を促し、不良なコラーゲン線維を排除、

健康なコラーゲンに置き換えるようです。

 

様々な効果、アンチエイジングにかかわるのがビタミンA なのです。

 

 

 

 

具体的にビタミンA とは何?

ビタミンA は20 世紀初めに発見されて以来、

魚の肝油、卵黄、牛乳、動物の肝臓にある脂溶性の化学物質として知られるようになりました。

ビタミンA紫外線吸収が高く、不安定でありながら

皮膚にはとても大切な物質です。

そして最も紫外線防御の役目になっていることも想像がつきます。

年齢とともに皮膚内の量が低下すると、

その役目も低くなり皮膚への紫外線の影響が上がってくるのです。

 

そのようなビタミンA には、4つの形態があります。

レチノール、

レチナール、

レチノイン酸、

レチニルエステル(パルミチン酸レチノール、酢酸レチノール)

です。

 

皮膚内のビタミンA の90%ほどが、

パルミチン酸レチノールの形態で、

可逆的にレチノール、レチナールの形態に移行して存在、効果を発揮しています。

 

しかしレチノイン酸になってしまうと不可逆的な変化となります

レチノイン酸は細胞内に取り込まれ直接DNA に作用します。

 

 

次回は、ビタミンAがどのようなところで活用されているのか、摂取する上での注意点等をご紹介します。

 

 

(引用:日本スキンケア協会会報誌vol.12)

 


記事

濱野 英明(はまの ひであき)先生

テティス横濱美容皮膚科 院長

日本皮膚科学会 皮膚科専門医

一般社団法人日本スキンケア協会 顧問

ヒアルロン酸・ボトックス注入認定指導医

川崎市立川崎病院、慶應義塾大学病院皮膚科、稲城市立病院皮膚科、済生会横浜市南部病院皮膚科での勤務を経て、横浜の桜木町駅前に医療とエステを融合させた「テティス横濱美容皮膚科」を開設。日本皮膚科学会、日本美容皮膚科学会、日本東洋医学会、日本レーザー医学会等に加盟し、最新の確かな情報を基に、安全で効果の高い美容医療を提供している。また、ミス・ユニバースやミススプラインターナショナルのビューティーキャンプ講師や審査員も務める。

 

 

 

 

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