2023年7月27日2024年6月28日お肌のトラブルケア,スキンケアの基礎知識,皮膚科医に学ぶ正しいスキンケア,美容コラム
【皮膚科医に学ぶ】意識してみてよう “ビタミンB群”②
前回に引き続き
今回も皮膚科医 濱野先生から学ぶ“ビタミンB群”についてご紹介いたします。
ビタミンB 群は、水溶性ビタミンのうち
B1、B2、B3(ナイアシン)、
B5(パントテン酸)、
B6、B7( ビオチン)、
B9 ( 葉酸)、
B12
の総称です。
ビタミンB群が不足すると?
結論から言うと、このビタミンB 群が体内に必要な理由は、
細胞代謝における補酵素という重要な役割があるからです。
そしてその細胞代謝の中でも
『エネルギーをつくる』
という生命にとって重要な部分、具体的にはTCA 回路の過程で必須となります。
またアミノ酸代謝でも大きく貢献します。
もっとわかりやすく言うと、エネルギー産生がうまくいかなければそれを使う細胞、さらには組織の働きは不良となります。
疲れやすくなり、病気にもなりやすくなります。
組織が壊れた時の修復も遅くなります。
最終的にビタミンB 群不足が常態化してしまうと、向かう先は病気と老化でしょう。
ビタミンB 群不足は肌において、にきび、乾燥肌、湿疹、口角炎、口内炎を誘発しやすいです。
ニキビ改善に必須となるビタミンB2・B6
生きていく上で重要な働きの一部であることが良くわかると思います。
皮膚科においてもビタミンB 群はよく処方する薬の一つです。
特ににきびに対してほぼ必須で処方しますが、なかなかその目的も理解せず漫然と処方されているケースも多くみうけられます。
にきびに対して処方されるのは主にビタミンB2 とB6 です。
ビタミンB2は脂質代謝に関わっており、皮脂の分泌を適正に保つ働きがあります。
B2 が不足すると、にきびができやすく、またにきびの悪化要因ともなります。
もう一つ、にきびの原因として毛穴出口の角質層肥厚という問題があります。
その肥厚が悪化しないように、ターンオーバーをスムーズにするという意味でB2 が必要になります。
B6 もターンオーバーをスムーズにすること、皮脂産生のコントロールということが作用機序です。
まとめ
体内においてビタミンB 群は様々な部位で常時活用されています。
しかもこれ一つということではなく、それぞれのビタミンが相互作用しているということも忘れてはなりません。
それはビタミンB 群のことだけではなくビタミンC、ビタミンE など他のビタミン同士についても同様です。
ビタミンB 群は、日常生活で不足を実感するということは
なかなか難しいのですが、
疲れてから、肌荒れしてから・・・ではなく、
常時補給をしておくと予防にもなるという事がメリットであり
意識していただけるとサプリメントを続ける理由となるのではないでしょうか。
(引用:日本スキンケア協会会報誌vol.15)
記事
濱野 英明(はまの ひであき)先生
テティス横濱美容皮膚科 院長
日本皮膚科学会 皮膚科専門医
一般社団法人日本スキンケア協会 顧問
ヒアルロン酸・ボトックス注入認定指導医
川崎市立川崎病院、慶應義塾大学病院皮膚科、稲城市立病院皮膚科、済生会横浜市南部病院皮膚科での勤務を経て、横浜の桜木町駅前に医療とエステを融合させた「テティス横濱美容皮膚科」を開設。日本皮膚科学会、日本美容皮膚科学会、日本東洋医学会、日本レーザー医学会等に加盟し、最新の確かな情報を基に、安全で効果の高い美容医療を提供している。また、ミス・ユニバースやミススプラインターナショナルのビューティーキャンプ講師や審査員も務める。
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