2013年12月17日2023年11月6日スキンケアの基礎知識,大学教授に学ぶ正しい化粧品の知識

肌を柔らかくするセラキュート

私たちの体から水分が逃げていかないように体表を覆っている表皮は、表皮角化細胞という細胞が増殖・分化して形成されています。

 

具体的には、表皮の基底層で基底細胞が分裂し、成熟するに伴って有棘細胞、顆粒細胞に分化し、最終的には角層を構成する角質細胞に角化して、約2週間後垢となって剥がれ落ちます。

 

角層には、肌の潤いを保つための保湿機能とバリア機能があります。

 

保湿機能とは肌表面が乾燥しないように角層内の水分を保持する機能で、バリア機能とは外界からの刺激物等の侵入を防ぐ機能です。

 

 

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これらの保湿機能やバリア機能の一端を担っているのが角層細胞間脂質であり、なかでもセラミドは重要な役割を果たしています。

 

セラミドが減少すると、炎症が起きていない肌もカサカサになってしまいます。

 

角層細胞間で層状に並んだセラミドの層間に水分が取り込まれて潤いを保ち、セラミド二重層がバリアとして機能しています。

 

(メタクリル酸グリセリルアミドエチル/メタクリル酸ステアリル)コポリマー(商品名:セラキュート)は、セラミドをモデルとして開発された化粧品用素材であり、セラミドと化学構造が類似しています。

 

 

そのため、肌への親和性が優れており、高分子化することでセラミドにはない使用感触があります。

 

具体的には、使用している時はサラサラとしているが、使用直後は肌が柔らかくなった感触に変化します。

 

 

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ポリビニルアルコールやポリグルタミン酸などの他の高分子化合物に比べてつっぱり感のような違和感がないのも特徴です。

 

 

これは、セラキュートが肌に浸透する過程においてポリマーネットワークが形成され、水分を保ったままでいるので、柔らかい肌を再生することができます。

 

 

セラキュートは短期間で肌に柔らかさとしなやかさを与える素材として美容液やローションなどのスキンケア化粧品に応用されています

 

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この記事を書いた人

前田 憲寿 先生

前田 憲寿 先生

医学博士

東京工科大学 応用生物学部 応用生物学科

一般社団法人日本スキンケア協会 顧問

特許庁 機能性皮膚化粧料調査委員会 委員長

九州大学大学院薬学研究科、東北大学大学院医学研究科を経て、資生堂ライフサイエンス研究センター皮膚科学研究所にて主任研究員を務める。2007年に東京工科大学バイオニクス学部教授、バイオ・情報メディア研究科教授に就任。2008年より、同大学応用生物学部、バイオ・情報メディア研究科教授に就任。専門分野は、香粧品科学、皮膚科学、分子細胞生物学、生化学、薬理学など。テレビなどのメディア出演も多数。

 

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