2024年4月18日2024年8月5日美容コラム
エステサロン開業を成功させるポイント6つ!事前準備や仕組み作り
店舗で長年経験を積んだエステティシャンならば、時として開業を考えることもあるでしょう。
資金を調達したり物件を探したりするのはもちろんのこと、独立を成功させるためのポイントも抑えておかなければなりません。
本記事ではエステ開業を行う際に知っておきたい内容をまとめながら、独立の手助けとなる情報をご紹介します。
未経験からでも独立・開業は可能なのか
エステサロンを開業する際、必ずしも経験や資格が必要というわけではありません。
いわば未経験であっても独立・開業は十分可能。
これまで美容関連の職に就いていなかった方が、一念発起してエステサロンを開業する例もたくさんあります。
ではどんな準備をすべきなのかというと、お客様に満足してもらえるだけの知識とスキルが必要となります。
専門学校に通って身に着けるも良し、独学で訓練を重ねるも良し、自分がやりたいエステサロンのコンセプトに合ったスキルを身に着けましょう。
また、自分の手を使ってマッサージを行うなど、手技を中心としたメニューを行う場合、開業資金をおさえることも可能です。
スチーマーやタオルウォーマー・エステベッドなど最低限のアイテムを揃えるだけで開業できるため、予算が限られている方にもおすすめです。
独立するメリット・デメリット
エステティシャンが店舗に属するのではなく、独立開業するのにはさまざまなメリットがあります。
一方でデメリットといえるような注意点も存在するため、同時に確認していきましょう。
メリット
まず、独立することで得られるメリットには以下のようなものがあります。
・自分のペースで営業できるためプライベートと両立しやすい
・自宅で開業する場合は通勤時間を短縮できる
・自分でやりたいメニューだけを提供できる
・お客様との距離が近く、長いお付き合いになりやすい
・予算が限られていても営業しやすい
第一に、独立して営業する場合はプライベートとの両立がしやすい点がメリットといえます。
営業時間や定休日を自由に設定可能なだけでなく、予約の入っていない時間は外出したり、子どもの予定に合わせて休みをとったりすることもできるでしょう。
自宅で開業する場合は、通勤時間を短縮し、空いた時間を有意義に使えるのもポイントです。
また、自分の得意とするメニューだけを選べるのも独立開業の大きな魅力。
フェイシャルメニューだけを行うサロンであったり、ボディケアを重視したサロンであったりと、やりたい内容が決まっている方にもおすすめです。
さらに、個人経営や小人数で運営しているサロンの特徴として、お客様一人ひとりとの距離が近く長い付き合いになりやすい点も挙げられます。
大人数に対応するのではなく、限られたお客様に向き合えるため、人との関わりを大切にしたい方に向いているといえるでしょう。
デメリット
一方で、独立するにあたって注意したいデメリットは以下の通りです。
・予約管理や機器のメンテナンスなど自分でやるべきことが増える
・経理の知識をつけやりくりしなければならない
・お客様の要望を全て叶えるのが難しくなる
・お客様が十分に来ない可能性も考慮しなければならない
・廃業のリスクを考慮しなければならない
独立するということは、通常さまざまなスタッフが担当している業務をすべて一人で行う必要があるということです。
電話を受けたり掃除をしたり、資金面のやりくりもすべてやらなければならないため、最初は大変な思いをすることもあるでしょう。
また、お客様の希望に合ったメニューを全て展開するのが難しく、「これはできない」とお伝えする場面が出てくるかもしれません。
フェイシャル中心のサロンを開いた結果、その地域にはボディケアをしたいお客様が多かった、などといった結果を招く可能性もあるでしょう。
さらに、運営がうまくいかない状態が続けば、時として廃業を選択しなければならない時が来るかもしれません。
その判断も全て自分で行わなければならないため、相談できる人を見つけておくのも大切です。
独立・開業する際に資格は必要?
エステティシャンに関する資格はさまざまなものがありますが、その一方で国家資格がないのも特徴の一つです。
国家資格がなければハサミを持つことができない美容師とは違い、素人でも今日すぐに始められるのがポイント。
エステに必要な知識だけを身に着ければ、すぐにでも開業できるのです。
もちろん、エステ関連の資格を持っていれば、小さな店舗であってもお客様が選んでくれるポイントとなります。
「日本エステティック協会」「日本エステティック業協会」などの認定資格が有名であり、それぞれレベル別の資格がとれるため、開業前にチェックしてみるのもおすすめです。
エステサロンを独立開業するための事前準備
続いて、実際にエステサロンを独立開業するために必要な準備について詳しくご紹介します。
準備の内容を詳しくまとめながら、実際の流れに沿って確認していきましょう。
必要な資格や技術を習得する
先ほどもご紹介したように、エステサロンを開業するだけならば必ずしも資格を取得する必要はありません。
協会が提供している認定資格があれば有利になるため、時間や資金に余裕がある場合はチェックしておくと良いでしょう。
いずれの資格も筆記試験と実技試験が必要となるほか、認定校で定められた時間分の教習を受ける必要があります。
資格を取得しない場合も、開業前にフェイシャルやボディケアなどの技術を十分学んでおかなければなりません。
参考書などを使って自力で勉強したり、各地で開催されるセミナーに参加したりと、自分に合った勉強法を見つけましょう。
近年は自宅にいながら勉強できるような動画教材も多く登場しているため、必要に応じて活用するのがおすすめです。
サロンのコンセプトを決める
エステサロンを開業する上で、サロンのコンセプトを決めることは必要不可欠です。
漠然と「エステをやりたい」という気持ちだけで始めてしまうと、どのようなサービスをしたいのか、どんなお客様に来てほしいのかが分からず運営に支障をきたしてしまいます。
コンセプトを決める際は、
・お客様の大まかな年齢層
・フェイシャルやボディなどどんな悩みに寄り添いたいか
・機械を使うか手技をメインにするか
・メニューの料金はどのくらいに設定するか
などのポイントを踏まえると良いでしょう。
高級感溢れるサロンにしたいのか、はたまたリーズナブルなメニューを揃えた気軽なサロンにしたいのかによっても、運営の指針が決まってくるはずです。
事業計画書を作成して開業資金を確保する
事業計画書とは、銀行などから開業資金を融資してもらう際に必要となる書類です。
先ほど決めたコンセプトを参考にしながら、以下の項目を記入しましょう。
・経営者となる人の個人情報
・店舗のコンセプト
・提供するメニューの内容
・他のサロンと異なる魅力
・開業後の売上や損益の計画
・今後の売上見込み
・スタッフを雇う場合の人材計画
・融資を受けた資金の返済計画
「こうしたい」という希望は持っていても、実際に運営してみると予想と違ってしまうポイントが多々あるでしょう。
開業後1年経過するまでの計画を綿密に立て、事業計画書に記載しながらまとめてみるのがおすすめです。
サロンの物件を探す
開業資金を確保した後は、実際にサロンを開く場所を検討しましょう。
自宅で開業する場合は部屋を確保し、新たに物件を探す場合は不動産会社に相談するのがおすすめです。
自宅を借りる際とは異なり、お客様が来店しやすい場所を選ばなければなりません。
徒歩で来てもらうならば駅やバス停から近い場所を、車での来店ならば駐車場がついた物件を選びましょう。
施術を行う部屋とは別に、資材を置く場所なども確保する必要があります。
賃貸物件の中で店舗利用が可能なところを探すのも良いですが、元々テナントとして貸し出されているところを探すのもおすすめです。
条件に合うお洒落な物件を探したいあまり、予算をオーバーしてしまうと元も子もありません。
あらかじめ毎月支払えるだけの予算を組み、家賃が出費を圧迫してしまわないように工夫することが大切です。
サロンの外装・内装工事をする
無事物件が決まったら、サロンの外装と内装を整えましょう。
基本的には清潔感のある装いで、インテリアとして飾るものは最小限に抑えるのがおすすめです。
シンプルなインテリアでもお洒落に見えるよう、壁紙や床材などを工夫すると良いでしょう。
自宅で開業する場合でも、サロン仕様に内装を整えるのは必要不可欠です。
特に一部屋だけをサロンとして使用する場合、生活感が出ないような工夫をしなければなりません。
サロンの部屋だけでなく、玄関から部屋までの動線やお手洗いに至るまでの全てを綺麗に整えましょう。
外装や内装の工事は、外部に委託する方法もあれば、DIYで行う方法もあります。
いずれにしても時間がかかりやすいため、できるだけ早めに着手しましょう。
備品や消耗品を揃える
外装・内装工事を進めるとともに、エステに必要な備品や消耗品を揃え始めましょう。
単に施術に必要なものだけでなく、お客様をおもてなしするためにさまざまなアイテムが必要です。
・化粧品類:クレンジング、洗顔、化粧水類、美容液、マッサージクリームなど
・施術に必要なもの:大小さまざまなタオル、コットン、紙ショーツ、ターバン、ベッドシーツなど
・大型のもの:エステベッド、スチーマー、タオルウォーマー、ワゴンなど
・会計時に必要なもの:キャッシュトレー、ポイントカード、レジ(スマートフォンで対応可)など
・カウンセリングに必要なもの:カウンセリングシート、ペン、契約書、朱肉など
・その他お茶、アロマ、BGM用スピーカー、スリッパ、自分の着る制服やエプロンなど
スピーディに準備しておきたいのが、大型のエステベッドやスチーマーなど。
こちらはエステ機器を取り扱う専門業者にて注文しなければならないほか、届くのに時間がかかることも多いため、早めに対応しておきましょう。
また、クレンジングなどの化粧品類はどのメーカーのものを使うか決めておく必要があります。
気に入ったお客様が商品を購入できるよう、常に少し在庫を確保しておくことも大切です。
こちらも業務用化粧品の卸販売サイトがいくつかあり、さまざまなメーカーの製品が揃っているため、一度確認してみることをおすすめします。
広告宣伝を始める
開業日が決まったら、集客のため広告を使った宣伝を行いましょう。
ターゲットとするお客様の層によって適切な方法が異なるほか、地域の特徴や継続のしやすさなども考慮する必要があります。
・WEB広告
・SNS広告
・ポスター広告
・チラシ広告
・WEBサイトでの宣伝
店舗周辺の人に見てもらいたい場合、ポスターやチラシを使っての集客がおすすめです。
地域が発行している情報誌などがある場合は、広告を載せてもらうと多くの人の目に留まるでしょう。
店舗前にも看板などで広告を掲げ、OPENすることをアピールすると効果的です。
地域外からも広くお客様を呼びたい場合は、WEB広告やSNS広告を使って発信を行いましょう。
ハッシュタグを上手く使い、さまざまな検索に引っかかるように工夫するのがベター。
お洒落な写真を使い、パッと目を惹く投稿に仕上げましょう。
気になった人が情報を調べられるよう、公式サイトを立ち上げるのも方法の一つ。
無料で作れるサイトも多く登場しているため、自分が運営しやすいものを選びましょう。
テンプレートを選べばすぐにサイトが作れるものもあり、PCでの作業に不慣れな方でも安心です。
届け出をして開業
宣伝の準備ができたら、いよいよ開業です。
税務署に届出を出し、エステサロンとしての運営を認めてもらいます。
同時に青色申告をしておくと、その後の節税対策にもつながるためおすすめです。
開業届や青色申告承認申請書は、余裕をもって開業から1ヶ月以内に提出すると良いでしょう。
開業後すぐは慣れない1日に戸惑うことも十分考えられるため、余裕をもった行動を心掛ける必要があります。
エステサロンの独立を成功させるポイント
これまで細かく見てきたエステサロンの独立についてですが、一貫して注意しておきたい5つのポイントがあります。
独立後に予想と違う現状に悩まされないためにも、事前に成功のコツをおさえておくことが大切です。
エステサロンの経営力をつける
自分のエステサロンを持つということは、経営力を身に着けなければならないということです。
エステの手技や知識を身に着けた後は、経営の勉強を始めると良いでしょう。
何か特定の資格をとる必要はありませんが、概要だけでも知っておくと運営に役立つはずです。
経営力を身に着ける上では、「マーケティング」「会計」の2種類が必要不可欠です。
始めに考えたコンセプト通りに進めていくのではなく、実際に訪れたお客様の様子を見ながらより良い店舗づくりに励みましょう。
お客様のニーズを明確にし、いかに応えていくかが重要となります。
ターゲット層にあわせた広報活動をする
先ほどもご紹介したように、広報活動にはさまざまなものがあります。
WEB広告やSNS広告は反復しやすく、若い世代にも注目してもらいやすいのが特徴。
多くの情報に埋もれてしまいやすいため、ハッシュタグなどを利用し目に留まりやすくする工夫が必要です。
チラシや情報誌による広報活動は、年配の方にとっても目に留まりやすいのが特徴。
シニア層にエステを体験してほしい場合、これまでエステサロンに縁がなかった方へどうアピールしていくかがポイントとなります。
普段見慣れたチラシや情報誌に広告を載せることで、親しみやすさを感じてもらえるでしょう。
性別や年齢にかかわらず来てもらえるエステサロンを目指すのも良いですが、ターゲットを広げすぎるとニーズに応えにくくなり、結果として満足度を下げてしまいます。
長くお付き合いを重ねるためにも、ターゲット像をしっかりとイメージしながら運営しましょう。
リピーター獲得の仕組みを作る
近所にエステサロンが開業したとなれば、目新しさから一度は行ってみたいと思うのではないでしょうか。
しかしその後何度も来店してもらうためには、リピーターを獲得するための工夫が必要です。
例として、単にリラックスできる時間を提供するだけでなく、自宅でできるケアの方法を伝えるなどお客様と話す時間を重視するのも大切です。
盛り上がりすぎず、お客様の負担にならない程度の会話量を心掛けながら、美容に関する会話を楽しんでみましょう。
お客様が抱えている悩みに合わせて、スキンケアや食事内容に関する知識を使って寄り添ってあげるのもおすすめです。
また、来店の回数に合わせてポイントをつけ、特典を受けられる仕組みを作るのも良いでしょう。
単に値引きを行うだけでなく、サロンで取り扱っている化粧品のサンプルを渡したり、まだ体験したことのない施術を無料で受けられたりといった特典も人気です。
まだ知らないサロンの魅力を知ってもらうことにも繋がり、まさに一石二鳥の方法といえます。
継続的に技術を習得する
サロン開業前に専門学校へ通ったり、独学で技術を身に着けたりしていても、その後定期的に新たな知識を身に着ける必要があります。
美容に関する知識や技術は身に着けておいて損はなく、お客様との会話の中で役立つ内容もたくさんあるでしょう。
後に新たなメニューを提供することにも繋がるため、技術習得の場には進んで参加することをおすすめします。
目標設定を具体的にする
サロン開業時に考えたコンセプトだけでなく、やりたいと思ったことは何でも目標を掲げてみると良いでしょう。
「今月中に〇人の予約を入れる」「〇〇さんに新たなメニューを体験してもらう」など、具体的であればあるほど目標が叶いやすくなります。
目標が一つ叶うたびに次の目標を立て、いつでも前向きな気持ちを持ち続けてみてはいかがでしょうか。
独立・開業に失敗してしまうエステサロンの特徴
目標やコンセプトが明確でなく、どんなお客様に来てほしいのかが分からないようなサロンの場合、お客様側も選びにくくなってしまいます。
まずは具体的なターゲット像をイメージし、どんなサロンにしたいか想像してみましょう。
また、どんなにお客様から人気を得ていても、料金設定をはじめとする数字の管理ができておらず、廃業を余儀なくされるケースも珍しくありません。
料金が安ければ良いというわけではなく、サービスに見合った価格を設定するのがマスト。
お客様が納得して受けられるメニューを提供することも重要です。
自宅で開業した場合、外観がサロンだと分かりにくく入りにくいといった問題も多々見られます。
看板を設置するなどしてサロンであることをアピールし、お客様を迎える環境を整えることが大切です。
まとめ
今回はエステティシャンとして独立開業する方法や流れ、注意点などをまとめてご紹介しました。
コンセプト設定から数字の管理などさまざまな点に気を配らなくてはならない反面、一人ひとりのお客様と親密な関係になれたり、自分のやりたいメニューを追求できたりといったメリットも存在します。
エステ開業するかどうか迷っている方は、ぜひ本記事を参考に未来の姿をイメージしてみてはいかがでしょうか。
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