2022年1月25日2024年5月16日大学教授に学ぶ正しい化粧品の知識
末梢血流改善作用とメラニン生成抑制作用のある美白成分「アルニカエキス」
こんにちは。
キク科 (Compositae)ウサギギク属(Arnica)アルニカ (学名Arnica montana) は、ヨーロッパのイベリア半島、ピレネ一山脈、アルプス、アペニン山脈北部、及びヨーロッパ中部から北部の標高1,000~2,800 mの高山帯に位置する酸性土壌帯の牧草地、粗林などに生える多年草です。
草丈20~60 cmで茎は直立し、通常単一で軟毛があります。
葉はほとんどが根生し、ロゼット状になり、楕円形から長楕円形で通常は葉の半ばが広く、縁が波うち、茎葉は少数が対生し、苞葉状で長さ5~8 cmです。
花期6~8月で、茎の頂に黄色頭花を単生し、舌状花は長い。
「ころび傷の万能薬 (パナヒ・デ・シュット) 」などの俗名から推察されるように、打ち身、切り傷などの外用剤として優れた効果を有するとともに、生理不順、せき、痰、痛風、赤痢などにも適用され、17世紀にドイツの民間薬として広く使われていました。
頭花を乾燥したものは苦味物質のアルニシン arnicin と精油を含み、傷薬やかゆみどめに、根を乾燥したものはアルニカ根 Arnica Root とよばれ、傷薬のほかに解熱や興奮剤として用いられます。
日本でもアルニカチンキとして医薬品 (パップ剤、歯磨き)に配合され、活用されています。
化粧品に配合できるアルニカエキスは、Arnica montana の花の抽出エキスです。
成分としては、抗炎症作用、抗菌作用のあるセスキテルペンラクトン類、末梢血管を拡張して血流量を増加するフラボノイド類、メラニン生成抑制効果のあるhydroperoxy traxastane-type triterpene [1]を含んでいます。
1. Maeda K, Naitou T, Umishio K, Fukuhara T, Motoyama A. A novel melanin inhibitor: hydroperoxy traxastane-type triterpene from flowers of Arnica montana. Biol Pharm Bull. 2007 30(5):873-879.
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