2022年1月12日2024年5月16日大学教授に学ぶ正しい化粧品の知識

抗菌効果のある「オウバクエキス」

オウバクエキスは、キハダ(学名:Phellodendoron amurense Ruprecht)またはその他同族植物(ミカン科;Rutaceae)の周皮を除いた樹皮のエキスである。

 

キハダ (みかん科キハダ属)は北海道から九州およびアジア東北部の山地に自生している落葉高木。

 

樹皮をコルク質から剥ぎ取り、コルク質・外樹皮を取り除いて乾燥させると生薬の黄柏となる。

 

 

黄柏にはアルカロイドであるberberine(ベルべリン、図1)を始めとする薬用成分が含まれ、黄色ブドウ球菌などに対し強い抗菌作用を持つ。

 

他にアルカロイドとして少量~微量のpalmatine、magnoflorine、phellodendrineなどを含む。

 

 

その他、苦味成分としてobakunone (obacunone)、limonin (リモニン:別名obakulactone)、butenolideなど、粘液性物質としてステロール類を含む。

 

 

オウバクエキスは抗菌作用のほか、抗炎症作用や創傷治癒促進作用も併せ持つとされる。

 

黄柏は腸内の異常な発酵や腐敗の抑制、腸管運動の抑制などにより、健胃整腸剤として各種漢方処方に配剤され、民間で止潟薬、健胃、整腸薬として使用される。

 

また、下痢の治療に用いられる。

 

BGで抽出したオウバク抽出液BG(固形分約1%)には0.2%程度のベルベリンが含まれ、アクネ用・敏感肌用のスキンケア化粧品に用いられる

 

ベルベリンはオウバクエキスの他、オウレンエキスにも含まれる。

 

 

薬用成分のベルリンの構図

 

 

 

 

この記事を書いた人

前田 憲寿 先生

前田 憲寿 先生

*医学博士

*東京工科大学 応用生物学部 教授

*日本スキンケア協会 顧問

*特許庁 機能性皮膚化粧料調査委員会 委員長

九州大学大学院薬学研究科、東北大学大学院医学研究科を経て、資生堂ライフサイエンス研究センター皮膚科学研究所にて主任研究員を務める。2007年に東京工科大学バイオニクス学部教授、バイオ・情報メディア研究科教授に就任。2008年より、同大学応用生物学部、バイオ・情報メディア研究科教授に就任。専門分野は、香粧品科学、皮膚科学、分子細胞生物学、生化学、薬理学など。テレビなどのメディア出演も多数。

 

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