2018年8月16日2024年1月18日大学教授に学ぶ正しい化粧品の知識
美容&スキンケア情報「注目の美容成分 『肌の保湿機能と保護機能のあるアロエの粘液』」
今日は、肌の保湿機能と保護機能のあるアロエの粘液について記載させていただきます。
アロエとは
アロエは植物学上、ユリ科アロエ属に分類される常緑多肉植物であり、品種としては300種以上が存在します。
アロエの原生地は熱帯、亜熱帯地域で、北アフリカの地中海沿岸、カナリア群島、アラビア半島の南海岸などに広く分布しています。
クレオパトラ女王の美貌の秘密は、アロエにあったとも伝えられています。
また中国の南部にも自生し、蘆會(ロカイ)と称し、中国医学ではその搾汁を寫下薬に分類し、活用されてきました。
アロエの効果
アロエの作用のひとつに、外傷や火傷の治癒促進作用があります。
アロエの火傷に対する治癒促効果は、アロエが皮膚に良いと言う伝承を生み出し、化粧品や医薬品に広く使われるようになりました。
アロエの葉を切って外皮を剥がすと、非常にねばねばした粘液層があります。
アロエが、外傷や胃炎を治したりするのは、この粘液層に秘密があります。
アロエの外皮が傷つけられて内部の粘液質が露出すると、この粘液質が傷部分を覆う包帯の役割をします。
この粘液質の主成分は多糖類で、ゾル(流動質)からゲル(固形質)に変換する性質を持っています。
その為、素早く傷口を覆って保護して、細菌などの侵入を防いでくれます。
外傷や火傷にアロエベラ[Aloe barbadensis Miller (Aloe vera L.)]の粘液質を塗った場合、アロエベラが葉の傷を治すのと同様の作用で、ヒトの傷に対しても治癒を促進するのです。
アロエベラに含まれる成分は?
アロエベラに含まれる多糖類の大部分は、アセマンナン(Acemannan)という物質です。
これは、アセチル化したマンノースがβ1-4結合した多糖で、8万Daから100万Da以上の高分子です。
多糖類は、非常に水分を含みやすい性質を持っています。
アロエベラを皮膚に塗ると水分を多く含んでいる膜が作られ、その膜から水分が角層に浸透していき、角層の水分含量が上がり、みずみずしい肌になります。
化粧品成分表示名称としては、アロエベラ液汁、アロエベラ液汁末、医薬部外品成分表示名称としてはアロエ液汁末(2)などがあります。
キダチアロエとは?アロエベラとの違い
また、日本で「医者いらず」といわれ、胃腸病、火傷などの民間薬として利用されてきたキダチアロエ(Aloe arborescens Miller)の粘液層にも、アセマンナン(Acemannan)はありますが、粘液層が薄いため、その量はアロエベラよりも少ないです。
アセマンナンにはin vitroでマクロファージ活性化作用や、線維芽細胞の細胞増殖促進作用、I型コラーゲン産生促進作用、keratinocyte growth factor (KGF)やvascular endothelial growth factor (VEGF)の分泌促進作用などが報告されています。
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