2018年8月9日2024年3月15日大学教授に学ぶ正しい化粧品の知識

保湿とアンチエンジング素材『ヒドロキシプロリン 』

真皮マトリックス成分の主成分であるコラーゲン線維は、加齢とともに減少し、これがしわやたるみの要因のひとつです。

 

したがって、真皮線維芽細胞のコラーゲンの産生を促進することにより、しわやたるみを防ぐことができると考えられています。

 

 

コラーゲンが他のタンパク質と大きく異なることは、

①グリシン(Gly)という最も単純なアミノ酸が3 つおきに出現し、このアミノ酸を支点にしてα-へリックスというらせん構造をとること

 

②ヒドロキシプロリン(Hyp)という特殊なアミノ酸が含まれること

 

③3本のポリペプチド鎖がロープのようにより合わさった三重らせん構造を形成すること

です。

 

 

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これらの特徴によりコラーゲン分子は丈夫な構造になり、特にHypがコラーゲンの安定性に寄与しています。

 

このHypはプロリンというアミノ酸がポリペプチド鎖へ組み込まれた後に、プロリルヒドロキシラーゼによる水酸化反応により翻訳後修飾され生成し、3本のコラーゲン繊維が三重らせん構造を形成します。

 

その反応にはビタミンC が必要です。

 

ヒドロキシプロリンは、コラーゲン特有のアミノ酸で、線維芽細胞におけるコラーゲンの産生を促進したり、表皮細胞の増殖を促進したりする効果があります。

 

 

また、セラミド合成に関与するβ-グルコセレブロシダーゼ活性を促進して、角層中のセラミド合成を促進するので皮膚のバリア機能を高める効果もあります。

 

ヒドロキシプロリンは水と結合しやすい性質があるので、角層中のヒドロキシプロリンの濃度が高くなると、保湿効果によって角層水分量が増加します。

 

コラーゲンのように高分子ではないので、皮膚への浸透性が高く、保湿効果やアンチエイジング効果が期待できます。

 

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アミノ酸なので安心して使用できます。

 

 

 

この記事を書いた人

前田 憲寿 先生

前田 憲寿 先生

*医学博士

*東京工科大学 応用生物学部 教授

*日本スキンケア協会 顧問

*特許庁 機能性皮膚化粧料調査委員会 委員長

九州大学大学院薬学研究科、東北大学大学院医学研究科を経て、資生堂ライフサイエンス研究センター皮膚科学研究所にて主任研究員を務める。2007年に東京工科大学バイオニクス学部教授、バイオ・情報メディア研究科教授に就任。2008年より、同大学応用生物学部、バイオ・情報メディア研究科教授に就任。専門分野は、香粧品科学、皮膚科学、分子細胞生物学、生化学、薬理学など。テレビなどのメディア出演も多数。

 

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