2023年1月17日2024年6月28日大学教授に学ぶ正しい化粧品の知識
ボトックス注射は良い?悪い?≪後編≫
前回に引き続き今回も「ボトックス注射は良い?悪い?」についてご紹介します。
ボトックス注射で使用する製剤の主成分は、ボツリヌス菌から採取したタンパクです。
菌そのものではありません。
このタンパクは神経伝達物質の放出を阻害し、目的とする筋肉のみ、収縮を抑制するため、表情に伴うしわがよりにくくなります。
ボツリヌス菌というと細菌兵器や食中毒でも話がでてくるものですが、これらが作用する量は簡単に言えば、医療で使用する何千倍という量です。
医療で使用する量はごくわずか、特にしわ治療の場合は、
局所の筋肉のみに作用させるぐらいの量です。
そして、その効果は一生ではありません。
代謝・分解でなくなるので、4か月以上経過するとしわはよるようになってきます。
そのため約4~6か月に一度の投与継続となります。
「続けるのか・・・!?」とネガティブに思ったかたもいると思います。
しかし、それはデメリットではありません。
継続することでのメリットもります。
ボトックス注射の目的は、今でている動的なしわを改善するだけでなく、継続することで、刻まれた、そして溝となるしわの予防が可能という最大のメリットがあります。
表情筋に作用させる施術なので、もちろんやりすぎはよくありません。
やりすぎてしまうと表情が硬くなり、いわゆる“笑えない、こわばる”となってしまいます。
しかし通常の範囲でボトックス注射を受けた場合はこうはなりません。
我々医師も技術講習があり常に確認をしておりますので
20年前と比較したら、クリニックでもある程度の結果は一定にでるようになっていると思います。
もちろん、いまだに技術を軽く考え、見様見真似で施術を行っている医師がいることも事実です。
筋肉にも厚さがあり、作用点があり、それらを理解した医師のもとで施術を受けるのが理想です。
あとは+αの技術差はアレンジ力で、これは医師の経験・考え方によるところです。
上記の悪いイメージの中でも、唯一そのとおりというのが”痛み”です。
その痛みは個人差もあり、全く痛がらないかたもいれば、痛みがネックというかたもいらっしゃいます。
クリニックによっては麻酔を使用するところもありますが、
施術自体はすぐ終わってしまうので、基本的には冷却のみで施術を行うクリニックがほとんどです。
いかがでしたか?
世間一般的に思われている、また皆さんが思っているイメージを覆すことができたでしょうか?
どの施術も美容医療とういと失敗例ばかり表にでてきます。
一方で成功例はあまりクローズアップされません。
基本的にはボトックス注射は安全でかつ安心な施術なのです。
私が考えるに、ボトックス注射は整形ではありません。
肌をきれいに維持するための、そして、きれいに見せるためのアンチエイジング方法なのです。
これがわかれば、受けない手はないと思います。
何にしても、受けてみたいと思ったらネットサーフィンするのではなく、実際クリニックへ足を運んで、しっかり診察時に医師の話を聞き、自分で判断する事が重要だと思います。
記事
濱野 英明(はまの ひであき)先生
テティス横濱美容皮膚科 院長
日本皮膚科学会 皮膚科専門医
一般社団法人日本スキンケア協会 顧問
ヒアルロン酸・ボトックス注入認定指導医
川崎市立川崎病院、慶應義塾大学病院皮膚科、稲城市立病院皮膚科、済生会横浜市南部病院皮膚科での勤務を経て、横浜の桜木町駅前に医療とエステを融合させた「テティス横濱美容皮膚科」を開設。日本皮膚科学会、日本美容皮膚科学会、日本東洋医学会、日本レーザー医学会等に加盟し、最新の確かな情報を基に、安全で効果の高い美容医療を提供している。また、ミス・ユニバースやミススプラインターナショナルのビューティーキャンプ講師や審査員も務める。
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