2018年8月22日2024年3月11日大学教授に学ぶ正しい化粧品の知識

美容&スキンケア情報「注目の美容成分 『美白剤としての「ニコチンアミド(ビタミンB3)」』」

今日は、注目の美容成分 『美白剤としての「ニコチンアミド(ビタミンB3)」』について記載いたします。

 

ニコチンアミドは、ナイアシンアミド、ビタミンB3と呼ばれることもあります。

 

ニコチンアミドの特徴

ビタミンB群の一種で、人体のエネルギー代謝における酸化還元反応に用いられる補酵素の原料であり、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)となり補酵素として生体では機能しています。

 

皮膚や粘膜を正常に保つ作用や、血流をよくする作用があります。

 

欠乏すると「ペラグラ(皮膚炎、胃腸障害、神経障害など)」の症状が起こることが知られています。

 

 

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ニコチンアミドの効果

ニコチンアミドの効果としては、血管拡張作用中性脂肪低下作用胃腸障害緩和育毛効果・細胞賦活効果があります。

 

したがって、ニコチンアミドは、肉体疲労時の滋養強壮・栄養補給ドリンク剤、にきび、肌荒れ、美白のケアを主目的としたビタミンB・C主薬製剤(医薬品)などに幅広く配合されています。

 

▶関連記事:ニキビや角質バリア強化にも効果がある美白有効成分 『リン酸L-アスコルビルマグネシウム』

 

 

ニコチンアミドには、メラニン色素の排泄を促進する作用もあります。

 

メラニン色素は、メラノサイトのメラノソームと呼ばれる小器官で作られます。

 

そしてメラノソームで作られたメラニン色素はメラノサイトの樹枝状突起の先端まで運ばれ、表皮角化細胞がその先端を貪食して取り込みます。

 

表皮細胞に取り込んだメラノソームはライソゾームに取り込まれ、消化されるか、あるいは消化されないまま大きなメラノソーム複合体になります。

 

大きなメラノソーム複合体はシミとして認識されるようになります。

 

 

ニコチンアミドは、メラノソームに包まれたメラニン色素が表皮細胞に引き渡されることを抑制する働きがあります。

 

 

 

 

つまり、表皮の基底層で作られたメラニン色素が表皮角化細胞に移行するのを防ぐのです。

 

そのため、ニコチンアミドは、チロシナーゼを阻害することなしにシミに効果のある美白成分なのです。

 

こういったメカニズムの美白成分は安全性が高いので、ニコチンアミドは、薬用美白化粧品に広く用いてられています。

 

 

ニコチンアミドの副作用

サプリメントや栄養ドリンクにも配合されていることも人気の理由です。

 

ただ稀ではありますが、血管拡張作用があるため、ほてりや皮膚が赤くなるといった副作用が出ることがあります。

 

重症化することはありません

 

シミが気になっている方は、積極的にニコチンアミドとアルブチンを配合した薬用美白化粧品を使用して、シミ・そばかすのない美透肌を取り戻すことができます。

 

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この記事を書いた人

前田 憲寿 先生

前田 憲寿 先生

*医学博士

*東京工科大学 応用生物学部 教授

*日本スキンケア協会 顧問

*特許庁 機能性皮膚化粧料調査委員会 委員長

九州大学大学院薬学研究科、東北大学大学院医学研究科を経て、資生堂ライフサイエンス研究センター皮膚科学研究所にて主任研究員を務める。2007年に東京工科大学バイオニクス学部教授、バイオ・情報メディア研究科教授に就任。2008年より、同大学応用生物学部、バイオ・情報メディア研究科教授に就任。専門分野は、香粧品科学、皮膚科学、分子細胞生物学、生化学、薬理学など。テレビなどのメディア出演も多数。

 

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