2023年5月31日2023年10月12日大学教授に学ぶ正しい化粧品の知識

みずみずしいうるおいのある素肌【角層の水】②

前回に引き続き、大学教授に教わる

みずみずしいうるおいのある素肌【角層の水】②

をご紹介します。

 

皮膚表面を美しくきれいに保つためには、角層の柔軟性を

維持することが重要であり、角層の柔軟性維持には“結合水”の存在が何にもまして重要です。

角層中のNMF やタンパク質などと水との結合により角層は柔軟化します。

角層中で水をしっかり結合させた状態を保つのが保湿因子です。

なかでもグリセリンは結合水が2.2g 水/g 乾燥重量と水をしっかり結合させる性質があります。

 

 

 

 

プロピレングリコールの結合水( g H2O/dry g ):2.8

グリセリンの結合水( g H2O/dry g ):2.2

PEG300の結合水( g H2O/dry g ):2.0

PEG400の結合水( g H2O/dry g ):1.9

ポリビニルピロリトンの結合水( g H2O/dry g ):1.4

ゼラチン:1.3

 

 

グリセリンは中性脂肪 ( トリグリセリド) が分解されて遊離脂肪酸とともに生成されます。

角層のグリセリンは、皮脂腺でのトリグリセリドの分解や

表皮角化細胞での脂質代謝によって生成されます。

頬表面でのグリセリン量は0.7 μ g /cm2 と

報告されているので、皮脂膜の厚さを0.5 μ m とすると、

およそ1.4% のグリセリン溶液で皮膚表面が覆われていることになります。

 

 

 

 

したがって、皮膚表面では、水をしっかり結合させた状態が保たれていると考えられます。

皮脂膜には、このほかに遊離脂肪酸やトリグリセリド、

ワックスエステル、スクワレンや汗の中の乳酸、

アミノ酸などが含まれており、pH4.5 ~ 6.5の弱酸性に皮膚を保つ働きもあります。

 

皮脂は一定の厚さになれば分泌は止まるようになっています。

個人差はありますが、洗顔後は30 分ほどで

元の角層水分量に戻り、1 時間ほどで元の皮脂量にもどります。

 

 

 

この記事を書いた人

前田 憲寿 先生

前田 憲寿 先生

医学博士

東京工科大学 応用生物学部 応用生物学科

一般社団法人日本スキンケア協会 顧問

特許庁 機能性皮膚化粧料調査委員会 委員長

九州大学大学院薬学研究科、東北大学大学院医学研究科を経て、資生堂ライフサイエンス研究センター皮膚科学研究所にて主任研究員を務める。2007年に東京工科大学バイオニクス学部教授、バイオ・情報メディア研究科教授に就任。2008年より、同大学応用生物学部、バイオ・情報メディア研究科教授に就任。専門分野は、香粧品科学、皮膚科学、分子細胞生物学、生化学、薬理学など。テレビなどのメディア出演も多数。

 

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