2024年8月8日2024年8月19日皮膚科医に学ぶ正しいスキンケア

美容にも健康にも 『亜鉛』は必要①

最近ではサプリメントとして摂取するかたが増えている『亜鉛』、皆さんはいかがでしょうか?

 

亜鉛とは

亜鉛は生体内において、の次に多い必須微量元素です。

 

成人の身体には、約2 g 程度含まれています。

 

微量元素である以上、なかなか意識することもないのですが、生体にとってはなくてはならない必須ミネラルです。

 

基本的に、亜鉛は食事摂取で体内に取り込むことができます。

 

しかし、その不摂生・内容の偏りがあると、当然、必要量より少なくなります。

 

なぜ微量である亜鉛が低下することで、健康にも美容にも影響があるのかというと、多くの生体内細胞代謝で亜鉛の出番が多いからです。

 

亜鉛は、100種類以上の酵素活性に関与し、主に酵素の構造形成および維持がその役割です。

 

細胞代謝がうまくいかなければ、健康はおろか美容においても影響するのは当然のことです。

 

ちなみに、亜鉛は特異的な貯蔵システムがないため、摂取し続けることが必要です。

 

 

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亜鉛が使われる部位

亜鉛は、骨や眼球、肝臓、筋肉、腎臓、前立腺、脾臓で多く使われます。

 

もちろん皮膚や毛にも必要です。

 

これらの臓器、部位から考えると、細胞代謝が活発、新たな細胞(DNA) を作る必要がある場所が主であることに気づきます。

 

そして、免疫機構の補助や創傷治癒、味覚感知、胎発生、小児の成長など多岐にわたり、とにかく全身で必要なのです。

 

最近のトピックスでいうと、新型コロナウイルス感染症と亜鉛の関係について、私が所属する日本亜鉛治療研究会の論文では、その報告を多く見ます。

 

コロナ患者の亜鉛は低値であることが多いようです。

 

感染症全般的に亜鉛が少ないとかかりやすく、重症化しやすいと言われていることから納得の内容です。

 

免疫細胞内では亜鉛は多く使われており、亜鉛がさらに少なくなると免疫が追い付かないことも想像できます。

 

だから普段から備えておきたいものです。

 

 

次回は、亜鉛不足の症状と亜鉛サプリメントの活用についてご紹介します。

 

 

 

この記事を書いた人

濱野 英明先生

濱野 英明 先生

テティス横濱美容皮膚科 院長

日本皮膚科学会 皮膚科専門医

一般社団法人日本スキンケア協会 顧問

川崎市立川崎病院、慶應義塾大学病院皮膚科、稲城市立病院皮膚科、済生会横浜市南部病院皮膚科での勤務を経て、横浜の桜木町駅前に医療とエステを融合させた「テティス横濱美容皮膚科」を開設。日本皮膚科学会、日本美容皮膚科学会、日本東洋医学会、日本レーザー医学会等に加盟し、最新の確かな情報を基に、安全で効果の高い美容医療を提供している。また、ミス・ユニバースやミススプラインターナショナルのビューティーキャンプ講師や審査員も務める。