2024年8月19日2024年8月19日皮膚科医に学ぶ正しいスキンケア

美容にも健康にも 『亜鉛』は必要②

前回に引き続き、亜鉛についてご紹介します。

▶前回の記事はコチラ

 

亜鉛不足の症状

亜鉛不足は、DNA の合成、細胞代謝がうまく行えなくなり、各組織の成長障害が起こります。

 

大人になると、老化により、ただでさえ新しい細胞を作りにくくなるので、それに拍車がかかります。

 

肌や毛も同様で、亜鉛不足はコラーゲン生成がうまくいかず、最終的に肌や毛のハリ低下、しわ、たるみ、薄毛などにつながります。

 

特に男女とも抜け毛や育毛という目的であれば、ビタミンC アミノ酸とともに摂取すべきです。

 

炎症性の疾患があると亜鉛は低値であることが知られており、肌でいうと乾燥肌やアトピー性皮膚炎の悪化にもつながります。

 

その他では、味覚障害や貧血、食欲不振、生殖機能の低下、慢性下痢、免疫力低下、低アルブミン血症、神経感覚障害、認知機能障害などのさまざまな症状が現れます。

 

ちなみに、過剰摂取(1 日100㎎以上) となると、銅欠乏症や吐き気、消化器症状、免疫障害、下痢、男性の場合、前
立腺癌にリスク増大が報告されています。

 

 

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亜鉛サプリメントの活用

亜鉛を多く含む食材には、魚介類、肉類、藻類、野菜、豆類などがあります。

 

なかでも牡蠣には100g あたり14.5㎎と多く含まれています。

 

しかし、これらを毎日、必要量食べようと思うとなかなか困難であり、亜鉛は経口摂取した量の3~4割程度しか吸収されないことも考えると、食事のみでは大変です。

 

また、食物繊維やフィチン酸(穀類、豆類に多い)、一部の食品添加物などは、亜鉛の吸収を妨げます。

 

そこで亜鉛サプリメントの活用です。

 

亜鉛のサプリメントは比較的安価であり、継続しやすいです。

 

飲み方として、平均1 日摂取は10㎎とするものが多いのは、厚生労働省が提示する食事摂取基準量からと思います。

 

私個人としては、それでは少なく、20 ~ 30㎎摂取でも良いと思います。

 

 

微量元素だから意識しにくい、物質ですが、健康のため、美容のためには、必須の物質です。

 

ぜひその他の有効成分と一緒に摂取してみてください。

 

 

 

この記事を書いた人

濱野 英明先生

濱野 英明 先生

テティス横濱美容皮膚科 院長

日本皮膚科学会 皮膚科専門医

一般社団法人日本スキンケア協会 顧問

川崎市立川崎病院、慶應義塾大学病院皮膚科、稲城市立病院皮膚科、済生会横浜市南部病院皮膚科での勤務を経て、横浜の桜木町駅前に医療とエステを融合させた「テティス横濱美容皮膚科」を開設。日本皮膚科学会、日本美容皮膚科学会、日本東洋医学会、日本レーザー医学会等に加盟し、最新の確かな情報を基に、安全で効果の高い美容医療を提供している。また、ミス・ユニバースやミススプラインターナショナルのビューティーキャンプ講師や審査員も務める。