2025年3月11日2025年3月11日皮膚科医に学ぶ正しいスキンケア
照射機器による、施術後にやるべきこと
肌をキレイにしたいと思った時に、皆さんは何を手始めに考えますか?
そのお悩みによると思いますが、例えばしみがでてきた、肝斑がでてきた、くすみや肌の色むらがある時、そして
ホームケアだけではどうにもならなくなった時どうしますか?
おそらくネット検索から、エステや美容医療の予約をして、それぞれの施設へ足を運ぶと思います。
そして、しみなどの色素斑が悩みのかたは、照射系機器を紹介され、実際にレーザーやフォトフェイシャルなどの照射
系の治療や施術を受けて、というのがだいたいの流れかと思います。
ここで、皆さんは施術を受けたことに満足してしまい、その後のケアの重要性を忘れてしまいます。
これらの照射系治療、施術後のケアが、その効果を上げる事や起こりうるマイナス事象を軽減することをご存知でしょうか。
今回は主にしみや肝斑などの色素斑に対して行う照射施術後のケアの重要性についてお話ししていきます。
照射系機器光エネルギーは本当に肌に良いだけ?
一般的にレーザーやフォトフェイシャルなどの照射系機器は、光エネルギーを肌に照射するものです。
主に可視光線~赤外線の波長を使用、種類や幅によってそれぞれの効果を狙い、使い分けをしていきます。
さて、この光エネルギーは、肌にとって100%プラスのエネルギーであると思いますか?
最終的には、プラスになるように照射をしていくのですが、照射直後の肌状態はプラスどころか『損傷』という状態に変わりありません。
肌は相当負担のかかっている状態です。
今回のテーマの答えですが、ここからいかにリカバリーしていくかがきれいになるためのポイントとなるのです。
肌が炎症を起こす仕組みとメラニン産生の関係
レーザーやフォトフェイシャルの光エネルギーは、肌の各組織に反応すると、直後をピークに必ず『炎症』という状態を引き起こします。
炎症に対して、私たちの肌は何もしないわけではなく、それに対して防御反応をします。
その典型的な反応が、メラニン産生細胞であるメラノサイトが濃いメラニンを作り、排出するという反応です。
メラニン、しかも濃いメラニンは肌で発生する炎症や酸化を食い止める働きがあると言われており、生体反応としては、当然の事をしているのです。
これを放置しておくことのほうが肌にとってデメリットであり、最悪の展開で言えば、皮膚癌のリスクを上げてしまうのです。
これは何もレーザーやフォトフェイシャルなどの治療に限ったことでありません。
単純に過度の紫外線を浴びた時の日焼けも、肌への接触性刺激も、やけどもにきびも虫刺されも、同じことです。
これらも炎症の引き金となるので、その程度は大なり小なりありますが、メラニン色素が濃く、そしてたくさん作られます。
もちろん、一過性の出来事であれば、肌の色はもどりますが、過度に刺激をされた場合や反復された刺激となると、一過性とならず、その場所はずっと濃いメラニン色素が作られ続ける事になるのです。
実は、レーザーやフォトフェイシャルは『しみ』をとる行為なのに、しみが出やすい状況も作っているという、少し矛盾しているような状況でもあるのです。
では、そうならないように『やらなければならない事』とは、何でしょう。
肌を守るために“やらなければならないこと”
話の流れから一番のポイントは、過度の炎症状態にある肌をなるべく早く鎮静化する事と、皆さん気づいたと思います。
レーザーはもちろん、一般的に” ソフト” と思われているフォトフェイシャルも施術後の炎症は、数日以上続いているとみるべきです。
無駄に炎症が続けば、それはしみの元凶となるので、鎮静化、具体的には抗炎症、抗酸化となる方法が必要です。
それは、やはりホームケアであるスキンケアと経口摂取である飲み薬やサプリメントです。
抗炎症物質、抗酸化物質とも化粧品やサプリメントで含有している商品が多いと思います。
それらを積極的に使う事は、美肌を作るために避けて通れません。
特にしみ治療やケアにとって欠かせない存在です。
照射治療のみで肌がきれいになるということは一時的にあったとしても、持続してあるかというと、まずありえません。
レーザーやフォトフェイシャルを受けた後、うまく炎症を軽減しつつ、ダメージをリカバリーし、肌環境を整えることで、これら照射治療、ケアの本当の効果が得られるのです。
スキンケアや飲み薬、サプリメントを使ってもよくわからないと言ってやめてしまうものほど、無駄でもったいないことはありません。
ちなみに当院に通院されているかたできれいな肌を持続させているかたは、もれなく治療もホームケアも両方頑張っています。
エステでも美容医療でも照射機器の施術を受けた後、肌におこる過度の炎症やダメージを軽減する事こそ、その施術の良さを引き上げる方法であり、やるべきことなのです。