2024年8月5日2024年8月16日皮膚科医に学ぶ正しいスキンケア
リスクのある「HIFU」照射
ここ数年、たるみ治療と言えば、HIFU(高密度焦点式超音波療法、ハイフ)がトレンドとなっています。
メディアや雑誌での特集は、群を抜いて多いと思います。
基本的にダウンタイムが少なく、リフトアップができるとあって、若いかたから高齢のかたまで受けているようです。
HIFUが人気な理由と後遺症
その人気の理由は、施術を受けられる場所も、これまでは、エステサロンから医療施設まで幅広く扱っていて、気軽にできるということもあるでしょう。
▶▶関連記事:高密度焦点式超音波(ハイフ)施術に関する厚生労働省の通知について
そして、今まであった機器よりも直後の「リフトアップ」効果を体感しやすいということも大きな要因と思います。
このように、良いことばかりピックアップされるHIFUですが、HIFUによる後遺症が急増しているようです。
神経損傷や血管損傷、凹みなど様々あり、そろそろ大幅な規制となるのは当然の流れでしょう。
HIFU施術の注意点
良いことずくめのような印象のあるHIFU、もちろん注意しないといけない部分もあります。
まず、一点に熱を集中させるということは、対象となる層を間違えてしまえば、特に表皮層に入ってしまえば、やけどになります。
これは、照射プローブと肌との隙間ができるとなります。
やけどになると、数年単位で残る色素沈着になります。
また熱のこもりかたが強くなると、表層への熱波及、刺激によってしみの悪化も、可能性としてはゼロではありません。
そして、ある程度深い位置がターゲットであり、血管やリンパ、神経の走行に気を付ける、特にそれらの出入口には注意が必要です。
ちゃんとした解剖の知識があってこその施術とも言えます。
それらの損傷は後遺症として残ることもあるでしょう。
またドット状の瘢痕を内部に作るので、そうそうないとは思いますが、作用が強く出ると凹みやその治癒過程でしこりがでてくる可能性もあると思います。
HIFUは、とても人気のある治療器です。
リフトアップ効果を狙う治療器の中では、体感の出やすい機器です。
しかし、ターゲットとなる層をしっかり把握して、そして解剖の知識が正確にある、その上での治療であることも忘れてはならないポイントです。
目視できない組織へのアプローチは本当に気を付けなければならない事を肝に銘じて施術を行ってください。
もちろんご自身がHIFUを受ける時も、十分吟味し、説明を聞いてから施術をうけてください。