2022年9月28日2022年9月28日皮膚科医に学ぶ正しいスキンケア
ビタミンCのあれこれ⑥
ビタミンCは、サプリメントの王道です。
今回はサプリメントとして、経口摂取したあとの体内動態についてお話します。
ビタミンCを経口摂取した場合、消化管である小腸より吸収され、血中へ移行します。
消化管の血液がまず向かう先は肝臓です。
この肝臓という場所は、物質の代謝、合成の場であるため、ビタミンCにとって、少々問題が起こります。
それは、せっかく吸収したビタミンCは肝臓で消費、代謝されてしまうということです。
もちろん肝臓自身にはプラスとなるのですが、その他目的とする組織へ届かせたい量が減ってしまうというデメリットがあります。
その後ビタミンCは心臓を介して動脈系へ、そして各組織へ分配されます。
分配されても余る分は、尿路から排泄されます。
排泄の段階でもビタミンCは、尿路系の細胞保護となっています。
少し話を戻しますが、消化管から吸収されない分は便として排泄されるのですが、その際、小腸より末梢の消化管細胞の保護になっているという話を聞きます。
つまり抗酸化作用発揮というわけです。
決して無駄ではないですね。
ビタミンCは、体内での貯蔵(全身で1.5gと言われている)が難しい物質です。
それでも多く必要とする組織はあり、分布でみると脳組織での消費、貯蔵量が一番です。
血液が脳へ行くときに血液脳関門があり、なんでもかんでも通れるものではありません。
実はビタミンCそのものは血液脳関門を通れませんので、ビタミンCの形を変え、脳内に入ったらビタミンCに戻るという過程を経ています。
また脳以外では、副腎が多くビタミンCを消費します。
副腎はホルモン分泌の組織です。
特に身体が危機的な状態になった時に、アドレナリン合成のためビタミンCはたくさん必要となります。
脳と副腎、この二つに共通する大切なこと、わかりますか?
それは、「ストレス」です。
ストレス時に脳組織は負荷がかかり、また交感神経が優位となり、アドレナリン合成が高まります。
両者ともビタミンCがたくさん必要となるのです。
であれば、ビタミンCがそこそこしかない身体の場合、そのストレスに抗えなくなり、負の連鎖が起きるのです。
だからストレス(精神的も肉体的も)がある時は、ビタミンCを多く摂取したほうがよい理由です。
ちなみに、体内でビタミンCが不足すると、腎臓で再吸収が始まります。
食事でとれていないと思っていても、実は再利用されているのです。
しかし、そこまでいってしまうと、老化や病気につながりやすくなります。
ある程度、維持のための摂取継続は必要なのです。
他の動物は、体内でビタミンCをブドウ糖から合成することができますが、人間はその酵素がありません。
だから、病気のため、アンチエイジングのためなら、食事+α必要となるのです。
次回はビタミンCの細胞での振る舞いについてお話します。
記事
濱野 英明(はまの ひであき)先生
テティス横濱美容皮膚科 院長
日本皮膚科学会 皮膚科専門医
一般社団法人日本スキンケア協会 顧問
ヒアルロン酸・ボトックス注入認定指導医
川崎市立川崎病院、慶應義塾大学病院皮膚科、稲城市立病院皮膚科、済生会横浜市南部病院皮膚科での勤務を経て、横浜の桜木町駅前に医療とエステを融合させた「テティス横濱美容皮膚科」を開設。日本皮膚科学会、日本美容皮膚科学会、日本東洋医学会、日本レーザー医学会等に加盟し、最新の確かな情報を基に、安全で効果の高い美容医療を提供している。また、ミス・ユニバースやミススプラインターナショナルのビューティーキャンプ講師や審査員も務める。
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