2023年2月9日2023年8月30日お肌のトラブルケア

唇の乾燥や荒れはなぜ起こる?おすすめのケア方法や対策を紹介

唇の乾燥や荒れはなぜ起こる?おすすめのケア方法や対策を紹介

美しく潤いのある唇は誰もが憧れるものですが、

空気が乾燥する冬や季節の変わり目になると、ヒビ割れや出血に悩む方も少なくありません。

このような唇の乾燥や荒れはなぜ起こってしまうのでしょうか。

考えられる主な原因と、唇の乾燥を防ぎ改善するケア方法もあわせて紹介します。

 

唇の特徴

唇は肌の一部であることに変わりはありませんが、特に皮膚が薄くデリケートな部位です。

通常、私たちの皮膚は約4週間ほどの周期で古い角質から新しい角質に生まれ変わっています。

これは肌の新陳代謝であり、専門的には「ターンオーバー」という言葉で表現されます。

唇のターンオーバー周期はわずか3日程度と、ほかの部位に比べても圧倒的に短いことが分かります。

また、皮膚には皮脂腺とよばれる組織があり、

そこから皮脂が分泌され肌の表面をバリアする働きをもっていますが、唇にはこの皮脂腺がありません。

皮膚の層が薄いことに加え、バリア機能がないことから唇は乾燥しやすく、真っ先にひび割れや荒れといった症状が出やすい部位なのです。

 

 

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唇が乾燥する7つの原因

私たちの体のなかでも特にデリケートな唇は、わずかな刺激や環境の変化によって乾燥することがあります。

どういったときに唇は乾燥しやすいのか、代表的な7つの原因に分けて解説しましょう。

原因1.外的刺激

外的刺激とは、外部から加わる物理的な刺激のことを指します。

たとえば、手で唇を頻繁に触ったり、

タオルやティッシュなどを使って強い力で擦ったりしたとき、唇の表面にダメージが加わります。

これが蓄積していくと唇全体が荒れたり乾燥したりすることがあります。

また、感染症対策としてマスクの着用が広く定着しましたが、マスクの内側がつねに唇と接触していると刺激になり、唇の荒れや乾燥を招くことも少なくありません。

 

原因2.ストレス

ストレスは肌荒れの天敵としても知られており、

特に強いストレスを感じたときや、慢性的にストレスが続いたりしている際には肌が乾燥しやすくなります。

唇も例外ではなく、皮脂腺がない分ほかの部位に比べて乾燥や荒れの進行が早いことが多いのです。

 

原因3.栄養不足

精神的な要因だけでなく、食生活の乱れも乾燥の原因になることがあります。

正常なターンオーバーを促進するためにはタンパク質が不可欠なほか、ビタミンやミネラル類なども求められます。

特にビタミンやミネラルは日々の食生活で不足しがちであり、

栄養バランスが偏ってしまうとターンオーバーが乱れ、唇が荒れやすくなります。

 

原因4.洗顔やクレンジング

洗顔やクレンジングはスキンケアの基本といえますが、

誤った方法で行ってしまうと逆効果になることがあります。

特に強い力で擦ったり、熱すぎるお湯をかけたりするのは

厳禁であり、たっぷりの泡でぬるま湯で優しく洗い流すことがポイントです。

 

 

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原因5.紫外線

日焼けの原因となる紫外線も唇の乾燥や荒れに密接に関連しています。

腕や顔、首筋などが日焼けをしたとき、肌の表面がガサガサとした感触になった経験はないでしょうか。

これは皮膚が軽度のやけどと同じ状態になり、皮膚にダメージを負い水分が蒸発することで現れる症状です。

唇は特にデリケートな部位のため、ほかの部位が日焼けをしていないのに唇だけが乾燥し荒れてくることもあります。

 

 

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原因6.ホルモンバランスの乱れ

加齢やストレス、睡眠不足など、さまざまな原因によってホルモンバランスが乱れることがあります。

ホルモンバランスが乱れると、体内で生成される保湿成分が

失われやすくなるためで、特に乾燥しやすい唇は真っ先に影響を受けやすくなるのです。

 

原因7.体調不良

ホルモンバランスの乱れと同様に、風邪や生理痛などの体調不良に見舞われたときも唇が乾燥しやすくなります。

特に風邪をひいた際には無意識のうちに体内の水分が失われるほか、体の抵抗力そのものも弱くなっているため、唇の荒れや乾燥も現れやすくなります。

 

 

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唇が乾燥したときに現れる症状

唇の乾燥と聞くと、

「ちょっとした肌荒れのようなもので、あまり気にする必要はないのでは?」

と考える方もいるでしょう。

しかし、これを放置しておくと、やがてさまざまなトラブルに発展することもあるのです。

口角炎

口角炎とは、唇の両サイドにヒビが入ったり、炎症を起こしたりする病気のことです。

声を発したり食事をしたりする際に、大きく口を開けたタイミングでヒビが入り悪化していきます。

特に空気が乾燥する冬場に起こりやすい病気ですが、

唇のケアが不十分であると季節を問わず発症することもあります。

 

口唇炎

口唇炎とは、唇の一部または全体に炎症が起こる病気のことです。

初期段階では唇にヒリヒリとした感覚や違和感があるため、舌で唇を舐めてしまうケースも少なくありません。

しかし、これが原因で口唇炎が悪化し、大きなひび割れや出血をともなうこともあります。

 

感染症

感染症とは、口唇ヘルペスや口唇カンジダなどの病気が代表的です。

口角炎や口唇炎は唇への物理的なダメージや生活習慣、

空気の乾燥などが要因となって起こりますが、

感染症の場合は細菌やウイルスによって起こるのが特徴です。

 

 

唇の乾燥でやってはいけないNG行為

唇が乾燥すると赤みや腫れ、ガサガサとした違和感を覚えることも多く、つい気になってしまうものです。

しかし、違和感があるからといってある行為をしてしまうと、さらに症状が悪化するおそれもあります。

唇が乾燥したときにやってはいけないNG行為には、どのようなものがあるのでしょうか。

物理的な刺激やダメージを与える

手で触る、タオルやティッシュで擦るなど、

唇に物理的な刺激やダメージを与える行為は乾燥や荒れをさらに悪化させる原因となります。

違和感がありどうしても気になってしまう気持ちは分かりますが、ぐっと我慢して触らないようにしましょう。

 

舐める

手やタオルなどで触ったり擦る行為に加えて、舌で舐める行為もNGにあたります。

触ったり擦るのに比べて摩擦が少ないように思われますが、

唾液が蒸発する際に唇の水分も一緒に失われてしまうためです。

 

皮を剥く

乾燥し荒れた唇の表面には、”ささくれ”のような皮が現れることがあります。

ざらざらとした感触が嫌で、つい皮を剥きたくなってしまいますが、このような行為も症状を悪化させる原因になるため決して行うべきではありません。

 

 

荒れた唇を改善する方法

生活習慣に気をつけている場合でも、さまざまな要因によって唇が乾燥し荒れてしまうこともあります。

もし症状が現れた場合、どのような方法が改善に効果的なのでしょうか。

蒸しタオルリップパック

①水で濡らして水分を絞ったタオルをビニール袋に入れ、500Wの電子レンジで90秒ほど加熱

②粗熱をとったあと、蒸しタオルを唇の上に優しく乗せて3分ほど置く

③柔らかくなった唇にリップクリームを塗り、その上からラップで覆う

④再び蒸しタオルを乗せて5分ほど置く

蒸しタオルとリップクリームの相乗効果により保湿力が高まり、唇の乾燥を改善できます。

 

湯船につかってラップパック

①唇にリップクリームを塗り、その上からラップで覆う

②浴槽にお湯をはり、ゆっくりと浸かる

③10分ほど経ったらラップを外す

④リップクリームを刷り込むようにして優しくマッサージする

⑤入浴後、再びリップクリームを塗る

蒸しタオルと同様に、保湿力を高めるために湯船に浸かるのもおすすめです。

ラップの上から蒸しタオルをかけることで、さらなる相乗効果が見込めるでしょう。

 

 

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ワセリンやオイルを使って保湿

普段使用しているリップクリームでは保湿力が弱いと感じる方や、頻繁に塗り直しているという方には、ワセリンやオイルのリップクリームもおすすめです。

通常のワセリンを塗る方法もありますが、

最近ではワセリンタイプのリップクリームも販売されているため、これに切り替えることで唇に潤いが保ちやすく、手軽に使用できます。

 

バランスの取れた食事でビタミンを摂取

上記で紹介したリップパックなどは

外部から保湿する方法ですが、これと同時に体の内部から改善することも重要です。

食生活の改善は基本であり、特に不足しがちなビタミンやミネラル類は積極的に摂取するようにしましょう。

野菜や果物などの食物から摂取することが基本ですが、

それでも不足しがちな栄養素があればサプリメントを効果的に取り入れてみるのもおすすめです。

 

 

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普段からできる唇の乾燥対策

唇はデリケートで乾燥しやすいことから、日頃からの対策が重要です。

蒸しタオルやパックなど手間がかかる方法ではなく、より簡単にできる対策を紹介しましょう。

リップクリームをこまめに塗る

唇の乾燥対策の基本は、こまめにリップクリームを塗ることです。

朝塗って終わりではなく、職場に着いたタイミングや

昼休みなどのタイミングでこまめに重ね塗りをできるよう、つねにリップクリームは常備しておきましょう。

持ち歩くのが面倒であれば、自宅用と職場用、

さらにはバッグのなかにもそれぞれ1本ずつ常備しておくのもおすすめです。

 

唇を舐めない

唇が乾燥してくると、無意識のうちに舌で舐めてしまう癖がついている方も多いです。

しかし、これまでにも解説してきたように、

舌で舐めてしまうと唾液が蒸発する際に

唇の水分まで奪われてしまうため、舐める癖をなくすように意識付けることが重要です。

 

紫外線を避ける

営業などで外回りの多い仕事の方は、紫外線対策を万全に行いましょう。

冬は夏に比べて紫外線の量は少ないですが、完全にゼロではありません。

少しの油断が唇の乾燥や荒れにつながることになるため、

帽子などを被って日差しが当たらないように対策をしましょう。

ちなみに、帽子や日傘を差すのが面倒な場合は

UVカット機能が備わったリップクリームを選ぶのもおすすめです。

 

 

リップクリームの選び方と基本の塗り方

唇の乾燥対策に欠かせないリップクリームですが、

ドラッグストアやコンビニなどではさまざまな製品が販売されており、どれを選べば良いのか分からないという方も多いでしょう。

そこで、リップクリームを選ぶ際のポイントと、効果的な塗り方もあわせて紹介します。

リップクリームの選び方

リップクリームには大きく分けて「化粧品」と「薬用」、「医薬品」の3種類が存在します。

化粧品とは、おもに唇の保湿力を高めて乾燥を防ぐ役割を

果たすものを指し、唇の荒れを予防するものを薬用とよびます。

また、症状がさらに進行しヒビ割れや出血などが伴っている場合には医薬品で治療をします。

これらの種類は商品のパッケージにわかりやすく表記されているため、症状に合わせて最適なものを選ぶと良いでしょう。

 

リップクリームの塗り方

リップクリームは基本的に縦方向に塗るようにしましょう。

私たちの唇は、縦方向にシワが入っています。

横方向にリップクリームを塗ってしまうと、

シワを強引に引っ張るような力が働き、乾燥した唇からヒビ割れや出血を招くリスクがあります。

また、リップクリームは唇の乾燥が気になったタイミングで

こまめに塗ることが大切ですが、塗りすぎると唇に摩擦を与え逆効果になってしまいます。

1日5回程度までを目安にしましょう。

 

 

唇の乾燥を予防するためのスペシャルケア

こまめにリップクリームを塗らなくても、乾燥しにくい唇にしたいと考える方も多いものです。

そのような方におすすめしたい特別なケア方法を紹介しましょう。

専用美容液を使用する

美容液と聞くと顔や全身に潤いを与えるための

スキンケアアイテムというイメージがありますが、実は唇専用の美容液も存在します。

リップクリームのように水分の蒸発を防ぐだけでなく、

外側から潤いを与えるために専用美容液は有効なアイテムであり、唇のボリュームアップにも役立ちます。

 

リップスクラブ

唇のターンオーバーが乱れている場合には、

古い角質を落とす働きのあるリップスクラブがおすすめです。

スクラブ剤が入っており、唇に刷り込むように塗ることで

ガサガサとした角質が落ち滑らかな唇に仕上がります。

 

 

まとめ

唇の荒れは空気の乾燥だけによって引き起こるものではなく、

生活習慣や食生活、普段の何気ない行動なども影響していることが考えられます。

唇の乾燥対策としてリップクリームを塗ることは基本ですが、

リップクリームにもさまざまな製品があり使い分けが必要です。

唇の乾燥や荒れに悩んでいる方は、今回紹介した内容を参考にしながら、日頃からできる対策を実行してみてください。

 

 

 


記事監修

高本 聖子 先生

日本スキンケア協会 認定講師

プライベートサロンBPPT桜梅桃季 オーナー

ビューティースクールBPPT桜梅桃季アカデミー 学院長

リアルビューティーアカデミー 学院長

JSSE 認定エステティシャン

日本エステティック協会 認定エステティシャン

大手エステサロン2社に勤務し、店長マネージャー、トレーナーとして社員教育や顧客向けのイベント講師などを務める。 メンズエステ指導、トレーナー育成やシンガポールの大手チェーン店への技術指導研修などの経験も持つ。
現在は35年間の美容経験と教育指導30年キャリアを活かし、自サロンの運営、サロンのコンサルティング、独立開業の支援などを中心に現場に沿った指導を行う。日本のみならず中国のエステサロンでも教育を行う。これまでに教育した人数は5,000名以上。

 

 

 

 

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プロとして
自信を持って美肌アドバイスができるようになる!
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